広島のドラフト1位ルーキー・常広羽也斗投手が、コンディション不良から順調な回復を見せている。現在は3軍で調整中だが、すでにブルペンで投球を再開させており、早ければ4月末には実戦デビューとなりそうだ。
1月には卒業に必要な単位取得のため広島を離れ、母校の青山学院大学がある東京・渋谷周辺のホテルで勉強に専念。その後、合同自主トレに合流した際は「卒業はまぁ、大丈夫です」と語っていた。
ところが、だ。なんと大学を卒業できなかったのではないか、という疑惑が浮上。事実、青学野球部のXアカウントが3月25日にアップした卒業式の写真には、なぜか常広の姿だけ写っていなかったのだ。
青学野球部公式ウェブサイトの常広の紹介欄には、4月1日頃まで「R5」と卒業年が記載されていたが、数日後には消えて、現在は空欄に。一部ファンからは「プロの試合に登板できないのではないか」との声が上がっている。スポーツライターが語る。
「大学からプロ入りする選手の中には、学生時代の4年間を野球に捧げたため、単位が足りず、卒業を諦めて入団する選手も少なくありません。常広が卒業していなかった場合は、残念ながら『中退』ということになるでしょうね。基本的に優秀なアスリートに対しては、単位取得が甘い大学が多いのですが、青学は厳しいことで知られています。特に常広は法学部なので、単位取得には苦戦したでしょうね」
もっとも、中にはプロ入り後、足りない単位を取って卒業を果たしたツワモノもいる。2005年の大学・社会人ドラフトで巨人から4巡目指名を受けて入団した越智大祐は、早稲田大学卒業に必要な124単位に「10」足りず、留年が決定。スポーツ推薦で入学したため、卒業しないと今後、野球部に振り分けられる推薦枠が減少する可能性があることから、プロ入り後の1年目は、大学生と巨人投手の二刀流生活を強いられた。
即戦力として期待されている常広の場合、学業との両立がかなり難しいのは確かだろう。泣く泣く卒業を諦める可能性は高そうだ。
(ケン高田)