さらには、そのビッグマウスと奔放な性格も関係者をヒヤヒヤさせている。いわゆる大阪の“あんちゃん”で、好奇心が旺盛。かつてロッテでは大阪桐蔭出身の西岡剛氏(34)が“夜の帝王”として遊びまくり、チームに悪影響を与えたことがあったが、先の球界関係者も口をそろえる。
「球場外でのおつきあいを球団がコントロールしておかないと、西岡二世になっちゃう危険性がある」
ただし、センターの守備力と走力に関しては、すでにプロのレベルとまったく遜色がないため、ビッグ4のうち開幕1軍に最も近い選手であることは確かだ。
もう一人、ドラフトでは根尾に並ぶ4球団競合で広島が引き当てた小園海斗(18)の評価も日々上昇中だ。「高卒ルーキーは2軍で徹底して鍛える」という方針の広島において、小さくとも高校生離れした頑丈な肉体で、シュアなバッティングと、如才ない守備を見せる小園を緒方孝市監督(50)が「まだ見ておきたい」と、1軍帯同を続けさせているのである。
広島のショートには田中、セカンドには菊池がいて、不動の二遊間に小園が割って入る余地はない。それでも菊池が今オフにメジャーへのポスティング移籍を本気で狙っているという状況があり、球団も「ポスト菊池」として小園を急いで育成する必要に迫られているのだ。にもかかわらず、小園にも重大な欠陥疑惑があった。根尾同様、心理イップスだというのである。
チーム関係者が明かす。
「昨秋のU-18アジア選手権において、2試合で4つのエラーをしたことがトラウマになっているようです。だから怖くて前に踏み出して守れない。今は練習試合なのでいいですが、公式戦のここ一番の緊張した場面でまたグラブが動かなくなるかもしれません」
昨夏の甲子園で活躍したビッグ4が侍ジャパンに選出されたU-18アジア選手権で日本は連覇を逃した。最大の山場の韓国戦で小園は3つのエラー。しかも次戦の台湾戦でもエラーをして“戦犯”となった。責任感の強い小園には、それがトラウマとなっているようで、守備位置では半歩後ろを守ろうとする「守備イップス」だというのだ。大事なところでいつもミスをする一流半の選手にはなってほしくないのだが。
キャンプを盛り上げたビッグ4が、早くもプロの試練と洗礼にさらされようとしている。指摘されている重大欠陥をいかに克服していくのか──。