昨年まで2年連続最下位だった中日が、2891日ぶりにセ・リーグ単独首位に立った。
4月9日のDeNA戦で全打点を挙げたのは、立浪和義監督が全精力を注ぎ込んで獲得した中田翔。自ら4番に指名した大砲は、ランナーがいる場面で連続タイムリーを放つと、「こういう試合を積み重ねていけたら」と満足げに語った。球団関係者が言う。
「昨年、巨人との複数年契約を自ら破棄して、中日のオファーに乗った。巨人ならスタメンどころか、2軍暮らしになっていた可能性が高いですね。この世の春を、今まさに迎えている。野球人としては、最高の時間を過ごしているでしょう」
一方で、中田が守る一塁のポジションを追われたのは、昨年までずっとスタメン出場していたダヤン・ビシエドだ。球団関係者が悩ましい表情で続ける。
「家庭の事情で開幕前に帰国し、現在は再来日していますが、ずっと2軍暮らしです。今後も中田が故障しない限りは、代打要員でさえ1軍昇格はない。それどころか、6月の交流戦に指名打者要員で1軍昇格させて、試合で動けることを他球団の編成担当にチェックさせる。それが終われば、トレードで放出する計画が浮上している。その時点で不足しているピースを獲得できれば、立浪監督にとってはこの上ないエサを他球団に与えることができます」
家族全員が親日家となり、子供を名古屋市内の学校に通わせるビシエドの心中や、いかに。