ネットで見かける「意味が分かると怖い話」をご存じか。これは一見、何でもないような話が、実はその裏に隠された本当の意味を知るとゾッとする、というショートストーリーだ。そんな話が、実はドジャースの大谷翔平の周辺で、リアルに展開されていた。
米連邦検察は4月11日午前(日本時間午前2時半頃)、米ロサンゼルスで記者会見を開き、大谷の預金口座からなんと1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正送金したとして、元通訳の水原一平氏を銀行詐欺容疑で訴追したと発表した。有罪になれば最高で100万ドル(約1億5300万円)の罰金と、禁錮30年が科せられる可能性があるという。
当初の報道では、不正送金の額は6億8000万円とされていたが、実際にはその3倍以上だったことになる。
訴状によれば、水原氏は2021年12月から2024年1月の間に1万9000回もの賭けをしており、買った金額が1億4200万ドルで、負けた金額は1億8300万ドル。これを差し引きすると、驚くべきことに62億円以上も負けたことになる。まさにギャンブル依存症の実態そのものだ。
水原氏はその優しそうな雰囲気や、なにより大谷に全幅の信頼を寄せられていたことから、好感度は抜群だった。ドジャースのキャンプ施設では、水原氏の顔写真と「Team Ippei」のロゴ入りTシャツを着た複数のファンが目撃されており、日本でも「一平Tシャツ欲しい」という声が上がっていた。実はここに「意味が分かると怖い話」が隠されていたのだ。
スポーツライターが語る。
「米連邦検察局が裁判所に提出した宣誓供述書には『違法ブックメーカーのひとりが、水原氏に脅迫めいたメッセージを送った』という記述がありました。それは『俺は今、ニューポート・ビーチにいて、(大谷が)犬を散歩させているのがここから見える。君とどうやって連絡を取ればいいのか大谷に聞いてみようと思っていたんだが、今すぐ連絡をくれ』というもの。実はこの文章を送っていたのが『Team Ippei』の一員だったというのです。確かに言われてみれば、Tシャツを着ているのは、ヒゲ面にタトゥーが入ったイカつい男たちばかり。一見、水原氏のファンのようですが、実は水原氏を監視していたというわけです」
そもそも大谷はプライベートを一切明かさず、私生活は完全にベールに包まれていた。その大谷の犬の散歩を把握し、目視できる状況下にあるとは、もはやプロの仕業以外のなにものでもない。一時は行方不明とされていた水原氏だが、彼らは完全にその動向を把握していたことになる。
今や「Team Ippei」Tシャツを欲しがるファンは、すっかりいなくなってしまったことだろう。
(ケン高田)