「NHK党(現・みんなでつくる党)」の立花孝志氏(56)が生放送での討論中にその発言を強制的に打ち切られたのは、テレビ朝日系「報道ステーション」での一幕だ。その舞台裏を本人に直撃すると––。
–
立花氏は22年6月16日放送の「報ステ」の参院選党首討論に別スタジオから生出演した。「安全保障」をテーマに各党首が激論を交わす中、「テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています」と訴えた。結果、テーマから逸脱したとして強制終了。無人の画面がテレビに映し出される事態となった。
–
そもそも自民党などとは違って、不公平に短い1分間で国防についてしゃべれと言われたら〝テレビがいちばん危険〟ということを表現するしかなかった。道義上、国政政党の党首の発言内容については有権者が判断することであって、テレビ局が判断するものではないと思います。テレビ局にとって都合の悪いことを言う人はテレビに出さないぞと。これは圧力ですよね。一方で、インパクトを与えるという意味では、予定通りではありました。放送をご覧になった方はまさに「テレビは国民を洗脳する装置」ということが、立花の言う通りだと思ったことでしょう。
–
立花氏は同日放送の「news23」(TBS系)にも出演。当時、NHK党に引き入れたガーシーが糾弾していた、淫行疑惑のあった俳優の名前を事前にツイッターで挙げて〈その俳優を主人公とする連続ドラマを放送しようとしているテレビ局があるんです〉などとして、番組でも言及することを予告した。
–
TBSの方は収録だったので事前の打ち合わせもなかったですし、発言も止められなかったのですが、編集して出したようですね。
–
また同年6月には、当時のNHK党幹事長だった黒川敦彦氏(現「つばさの党」代表)が「日曜討論」(NHK)でその俳優の実名を持ち出すばかりか、自民党と統一教会やCIAとの関係を暴露。ロッド・スチュワートの「Sailing」に合わせて、真顔で「♪アベのせいだ~ アベのせいだ~ おじいちゃんの代からCIA♪」と替え歌を披露。「発言は控えてください!」と司会者の声が響き渡るばかりだった。
現在は黒川氏と袂を分かった立花氏だが、こちらの放送事故に対する見解を聞いた。
–
当時も今も、自由に発言すればいいとは思っていますが、彼が目立っただけで大きな問題提起にはなっていない。僕が「テレビは危険だから、インターネットで情報を取っていきましょうね」と「問題提起」+「解決方法」を提示したのとは違うものです。
あれから2年近くが経って、いまだにこうして取り上げられることからも、僕の戦略は正しかったと思っています。