2軍調整を余儀なくされている楽天・田中将大の次回登板が白紙になる中、「トレード説」が囁かれている。田中本人は残り3勝となった悲願の日米通算200勝達成に向けて、移籍も辞さない覚悟のようだ。
田中は4月16日からのイースタンリーグDeNA戦での先発が見込まれていたが、永井怜投手コーチが「ここ最近の登板はなしという方向になりました」と明かし、事実上の白紙状態に。昨年10月に右肘のクリーニング手術をした結果が思わしくないのか、現在も投げ込みを行っておらず、実戦復帰にはまだまだ時間がかかりそうなのだ。
経営状況が厳しい楽天としては、田中の200勝達成機運で来場者を伸ばしたいところだが、そもそも1軍に上がるレベルにすら達していないのであれば、現状は不良債権でしかない。今シーズン限りでの引退がチラつく状況下でのトレードの可能性について、球界関係者はこう明かす。
「昨年、田中と中日・ビシエドとのトレードが噂されましたが、ここにきて再燃しています。ビシエドは現在、2軍で塩漬けにされており、好調の中田翔が故障でもしない限り、1軍昇格はない。一方、田中にとっては球場が広く本塁打の出にくいバンテリンドームナゴヤは、200勝達成には好都合。お互い35歳と年齢が同じで、年俸もほぼ釣り合いが取れる。楽天は田中を2軍で遊ばせているのであれば、ビシエドで貧打を解消したいでしょうね」
中日は昨シーズン、2年連続最下位にもかかわらず、観客動員は4年ぶりに200万人を超える218万3950人を記録した。今季は今のところ成績も上々で、投手力に余裕があることから、田中の獲得でさらに動員を増やすことは可能だろう。
もしかしたら田中の200勝達成は、バンテリンドームが舞台になるかもしれない。
(ケン高田)