パリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップのグループリーグ第3戦で、日本は韓国と戦い、0-1で敗れた。両国ともに決勝トーナメント進出を決めていたため消化試合となったが、2位通過なら決勝トーナメント1回戦の相手が開催国のカタールになるため、お互いに負けられない一戦だった。日本は75分にコーナーキックからゴールを決められ、韓国に逃げ切りを許した。
敗因は何か。元日本代表の城彰二氏は自身のYouTubeチャンネルで、次のように分析。
「韓国の選手の方が球際や前への突破力に対して、体を使いながら精神的にも強く前に出てきた。日本はフィジカルの面でも、こういった部分でもうまくいかなかった」
先発メンバーについても、
「いろんな選手を試しながら戦い、勝利を目指していくということで戦ってきた。それが3戦目の先発メンバーだとうまくいかなかったというのは、見ての通りではないかなと思います」
大岩剛監督の選手起用に、疑問を投げかけたのだった。さらには、日本の戦い方についても、苦言を呈する。
「ボールを奪った後、すぐにパスミスをしてしまったり、自分たちがリズムを取れなかった。あとはセカンドボールの回収がうまくいかなかったので、いい形で攻められなかった。トップに入った時に(FWに)クサビを入れてサイドを使うんだったらわかるんですけど、相手のスリーバックというシステムに対応できずに、クサビが入らなかった」
選手個人については、GKの野澤大志ブランドンとFW細谷真大の名前を挙げて批判した。特に野澤に対しては、厳しい意見を述べている。
「(失点のシーンで)野澤君が前に出たんだったら、ボールに触らなきゃいけない。セットプレーで失点するというのは厳しい。私が見る限りでは、小久保君の方がポテンシャルが高いし、ドッシリしてるというか、最後の砦。雰囲気もそうですし、内容も小久保君の方が数段上」
野澤よりも小久保玲央ブライアンの起用を強く推した。自身と同じFWとして注目しているという細谷にも、
「細谷君はレイソルでもそうなんですが、決定的なところで決めきれない。私の勝手な印象ですが、外す方が多い気がするので、フィニッシュの精度を上げないといけない」
城氏が指摘したこれらの問題点を解決して、4月25日のカタール戦に臨むことができるのか。負ければパリ五輪出場は消滅する。
(鈴木誠)