「正直、原監督がどういう野球をやるかは、交流戦で当たったりとか、解説者として見てたりはしましたけど、143試合を一緒にやったことがなかったですから。去年の中でいちばん感じたことは、こんなにバントしない監督なんだっていう…」
これは昨年、巨人の打撃チーフコーチを担った大久保博元氏が、原辰徳前監督を評したものだ。
自身のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉で「原野球」への違和感を、次のように表現している。
「え、この場面でバントしてくれたらって…。ボク(打撃コーチの立場)らはただ点が欲しいだけなんで、もちろん勝ちたいっていうのは当たり前ですけど。最初はなんでバントやらないんだろうって思いましたよ。大量得点が欲しい監督なのかな、って」
だが、その考えは「違いましたね」と大久保氏は続けた。
「プロ野球の中で、攻撃力が脅威だというチームを作ろうと思って、バントをさせることは簡単だけど、打つことの方がはるかに難しい。そこを成功させる、考える打撃ができることを望んだんですね」
今シーズンの巨人が、作戦として数多く企図しているバント。しかし成功率は、リーグワーストの6割だ。これは、昨シーズンまでバントに重きを置いていなかった選手の、意識の差とも考えられる。どんなに練習しても、試合でバントのサインが出ないのでは意味がない。
原監督の野球を目の前で見てきた当時のヘッドコーチ・阿部慎之助監督がバントを多用しているのは、巨人を2年連続Bクラスに転落させた原野球への反骨心とも思えるのだが…。
(所ひで/ユーチューブライター)