インドネシアからの労働者の増加率がなぜか多い――。
関西ローカルのABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」でそんな指摘をしたのは、元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏だった。
高橋氏は、岸田文雄首相の実弟がインドネシア人の国内就労を支援する会社を経営していることに言及し、
「脇が甘いというか、普通は親族に有利になるようなことはしない」
と批判した。
コメンテーターの元内閣参与で京都大学大学院教授の藤井聡氏が、これに呼応する。
「『李下に冠を正さず』って言いますから、責任のある方はこういう疑われることをしたらダメなんです、本当は」
厚生労働省が1月下旬に発表した2023年10月末時点の外国人労働者数は、雇用主に届け出が義務化された2007年以降、初めて200万人の大台に乗り、204万8675人だった。新型コロナウイルスの蔓延によって停滞した入国が再開され、過去最多を更新した。
国籍の上位はベトナム、中国、フィリピンだが、前年比で増加率が大きいのがインドネシア、ミャンマー、ネパールの3カ国だった。
岸田首相の実弟は三菱商事を経て、2009年からインドネシア人の日本就労を支援する会社を経営している。
岸田首相をめぐっては、2022年に長男を政務担当の首相秘書官に起用した件が問題になった。長男は2023年1月に海外で公用車を使って世界遺産を観光し、閣僚への土産を購入していたことなどが批判を浴びて、辞任に追い込まれている。ただでさえ身内には甘いとみられているのに、またしても噴出した「疑惑」。いったいどういうつもりなのか。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)