元広島カープで、現在は独立リーグ・福島レッドホープスに所属する福井優也の「不適切にもほどがある」態度が、問題になっている。
それは5月12日、福島県本宮市のしらさわグリーンパークで行われた、群馬ダイヤモンドペガサス戦でのことだった。
先発登板した福井は4回表、二死一、三塁の場面で暴投し、同点に追いつかれると、怒りを爆発させた。そして何を思ったのか、ボールをグラウンドに叩きつけ、ボールはそのままファウルグランドに転がっていく。「ボールデッド」となったが、その時点で走者が2塁に達していたため、2つの進塁が認められてホームイン。逆転を許すという大失態を犯したのだった。
結局、これが決勝点となり、福島は3-5で敗戦。福井は負け投手となった。福井がイラついてボールをグラウンドに叩きつけなければ、試合展開は変わっていたことだろう。
福井は2007年に「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹、大石達也(元西武)と同期で早稲田大学に入学。4年次の2010年春からは早稲田のエース番号11を背負った。卒業後は大石を抽選で外した広島からドラフト1位指名を受けて入団。2019年に楽天にトレード移籍した後は、1軍先発陣の一角を担った。2023年からは福島に所属し、シーズン終了後、投手兼任コーチに就任した。
コーチであり元NPB投手として、本来は模範となる姿を見せなければいけない。そんな立場にもかかわらず、あまりにも不適切な態度に、大ブーイングが吹き荒れている。スポーツライターが語る。
「記録上はワイルドピッチになりましたが、福井にしてみればきちんとキャッチしろ、という気持があったのかもしれません。確かにNPBの捕手であれば、少なくとも後ろにそらすことはなかったかもしれません。だからといって、ボールを叩きつけるのは前代未聞。兼任コーチとして、他の選手に示しがつかないでしょう」
「早稲田三羽烏」の最後の1人として、現役を続けている福井。元ヤクルトの岩村明憲監督に、愛媛県人会で懇意にしてもらったことがきっかけで入団している。これでは岩村監督の面目は丸潰れだろう。
7月末のNPB登録期限に向けて、いい投球をアピールしなければいけない立場。余計なプレーが命取りになるかもしれない。
(ケン高田)