普段テレビで見かける女子アナは単なる美女ならず。幾千倍もの競争を勝ち抜き、その座を奪取したツワモノぞろいばかりなのだ。捲土重来を期し、やむなく全国へ散った地方アナに、再び中央で活躍するセカンドチャンスが訪れている。
勝恵子、皆藤愛子、新井恵理那、森千晴‥‥人気のフリーアナウンサーを次々と輩出してきた芸能プロダクション「セント・フォース」に次ぎ、徐々に存在感を強めているのが「TBSスパークル」だ。TBSグループの連結子会社として、コンテンツの制作事業を行う一方、主に地方局出身の人気フリーアナを続々と抱え、マネージメントにも手を広げている。
こうした、地方局から中央に転身をはかるフリーアナが増える状況について、芸能評論家の佐々木博之氏は、次のように話す。
「ひとつは、女子アナが〝腰掛け〟と揶揄されるように、ブランドイメージが低下してしまったことにあります。中央の局アナであっても条件が合えばすぐに独立して、女優やタレントになってしまう。一方で、地方の局アナの多くは、中央のテレビ局への入社がかなわなかった人たちが多いので、野心がハンパないんです。そこへ、セント・フォースのような事務所が登場し、どんどんテレビに売り込み、人気者を生み出していったという経緯があります」
セント・フォースの後発として、各民放を浸食し始めているTBSスパークルには、どんな才能が集っているのか。代表的な3名のフリーアナを紹介しよう。
1人目は、北海道放送出身の金井憧れアナ(32)だ。慶應義塾大学出身で、ミス鎌倉やミスSFCに選ばれた〝才色兼美〟であり、マラソンを趣味に持つMっ気もチラリ。フリーに転身後は、TBSのCS番組「ニュースバード」のキャスターを皮切りに、地上波では「まるっと!サタデー!」や「あさチャン!」の中継レポートなど、報道や情報系番組を中心に活躍をしている。
もう1人が、キャスターをはじめ、レポーターやナレーター、役者としても幅広く活躍する槙あやなアナ(35)。福岡女子大学からNHK長崎放送局で約2年間、キャスターを務めた後、フリーに。現在は、BS番組「耳より!Bizトレンド」(BS11)のナビゲーターのほか、イベントのMCなどを担当する。
最後が、「矢口真里似のニュースキャスター」として一時話題となったNHK青森放送局でキャスターやレポーターを務めた、千葉真由佳アナ(30)。地方で磨いた経験が評価され、フリーに転身後、約1年でTBS早朝の看板番組「THE TIME,」のキャスターに抜擢された実力派だ。出身地である青森に寄り添う活動にも積極的で、今年2月にはTBSのポッドキャスト番組「青森県人しか出ない」のパーソナリティを担当するなど、独自の活動を続けている。
この3人のように、地方の人気アナが中央でも活躍できる理由について、前出・佐々木氏が語る。
「地方局はスタッフの人数が少ないため、大袈裟に言えば、レポートから撮影、編集まで1人で全部やっちゃうようなバイタリティがあるんですよ。だから、スタッフにとっては使い勝手がいいので、『また、あの子でいこう』ってなりますよね。それにTBSスパークルは、これからどんどん他局へ進出していく段階です。だから彼女たちも、実力以上の成果を出そうと頑張るので、ますます活躍の場は広がるはずです」
野心旺盛のフリーアナの梁山泊から、将来、全国制覇を果たすのは誰だ!