芸能

「天然ワンダフル歌謡」って何だ!?三井比佐子の摩訶不思議な世界/「昭和歌謡」大ブーム…この超伝説アイドルを聴け!

 80年代に活躍したアイドルの中には、不安定な音程と歌声ながら、だからこそ一度ハマッたら逃れられない常習性があるとして、絶大な支持を受けたアイドル歌手も少なくない。

 そのひとりが、81年に同じ事務所「オスカープロモーション」の北原佐和子、真鍋ちえみとともに「パンジー」を結成し、翌82年6月にソロとしてシングル「月曜日はシックシック」(VAP)でデビューした、三井比佐子だったのではなかろうか。

 デビュー時のキャッチフレーズは「抱きしめて、青春天使」で、愛称はチャコ。ファーストシングルはAB面共に作詞・高平哲郎、作曲・筒美京平、編曲・船山基紀という布陣で制作されたが、残念ながらオリコン93位と低空スタートとなってしまう。

 3カ月後の9月には、セカンドシングル「デンジャラス・ゾーン(立入禁止)」が発売されるのだが、彼女の集大成となるアルバムが、同年7月発売の「ワンダフル天使」。シングル同様、筒美京平氏が4曲を提供。さらに作家の伊集院静氏もペンネームの「伊達歩」で作詞に参加した。

 レコーディングにはドラムの林立夫(元ティン・パン・アレー)をはじめ、パーカッションに斉藤ノブ、サックスには当時、ユーミンや中島みゆき、ゴダイゴなどのレコーディングで引っ張りだこだったジェイク・コンセプションを起用。豪華布陣が奏でるハイクオリティーな楽曲と三井の歌声が相まって、魔訶不思議な世界が展開されるという、史上屈指の名盤に仕上がったというわけなのである。

 ちなみに「パンジー」はアイドルグループだったが、一緒に歌うことはなく、北原は「王道アイドル歌謡」、真鍋は「超絶テクノ歌謡」と称された。三井だけは「天然ワンダフル歌謡」というおかしな名称で表現されていたことが、記憶に残る。

 結果、三井はシングル2枚、アルバム1枚を残し、芸能界の表舞台から姿を消した。彼女の「ワンダフル歌謡」を存分に体現できる奇跡の一枚、それが「ワンダフル天使」なのである。

(大石怜太)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論