テリー 6月から60周年記念コンサートが始まりますよね。また新しい衣装を作るんですか。
美川 今、作ってるところです。
テリー またお金かかりますね。
美川 しょうがないですよ。貧乏臭く見せられないでしょう、私っていう人間は。
テリー そりゃ、そうだ。美川さんが安っぽいペラペラの衣装で歌うわけにいかないもんね。
美川 そうよ。だから、しょうがないんですよ、こればっかりは。
テリー どんなコンサートになるか、もう中身は決まってるんですか。
美川 まだ構成はできてないんですけど、まあ、今までのヒット曲を歌うことになるでしょうね。ファンの方に「この歌を歌ってほしい」っていうリクエストを事前に聞いてますから。それをたくさん歌うことになると思います。
テリー ファンはうれしいですよね。美川さんはヒット曲多いから。時間は2時間ぐらい?
美川 そうですね。2時間で18曲ぐらいになるんじゃないかしら。まだ決まってないからわからないけど。
テリー 美川さんってトークも面白いじゃないですか。しゃべりすぎてライブが長くなっちゃうこともあるんですか。
美川 まあ、歌の合間にしゃべるんですけど、話し始めると結構しゃべっちゃうタイプなんで、スタッフにちゃんと合図してもらって(笑)。
テリー 舞台袖から「美川さん、ちょっとしゃべりすぎです」って合図が来るんだ。面白いな。20曲ぐらい歌って、声はどうなんですか。
美川 声は全然大丈夫。定期的にボイストレーニングに行ってますから。
テリー あ、さすがだな。週に何回ぐらい?
美川 多い時で2回とか。時間にすると2時間ぐらいですかね。今、歌番組でひとさまの歌を歌わなきゃいけない時があるじゃない。うちで覚えるより、レッスン場で先生について覚えた方が早いんですよ。それでボイストレーニングと一緒にやってます。
テリー 僕なんか、もうすっかり物覚えが悪くなってるんですけど、自分の歌の歌詞って覚えてるんですか。
美川 覚えてますよ。
テリー ええっ、すごい。じゃあ、コンサートでカンペとか出さないの?
美川 出さないです。それをやっちゃうと、ずっと見なきゃいけないから。
テリー 偉い!
美川 偉いのよ(笑)。歌番組に行くと、大体みんな出るんですから。
テリー そうですよね。
美川 もちろん自分の歌は体に入ってるんだけど、やっぱり(カンペが)あると安心するから、それはそれでいいんですけど。でも、安心するからって歌詞を出しちゃうと、ずっと見ちゃうのよ。だから、コンサートの時は絶対に見ないです。
テリー なるほど。今日ね、実は美川さんとこうやってゆっくり話すのって初めてじゃないですか。
美川 あら、そう?
テリー そうなんですよ。だから、美川さんがこんなにセルフプロデュース力に長けてるって知ってビックリしました。もっと飄々と生きてるのかと思ってたから。
美川 色々と計算しながら、しぶとく生き残ってきたんですよ。
テリー ねぇ。僕、前から思ってたんですけど、だから美川さんに会うとご利益がありそうな気がするのかもしれないです。
美川 アハハハ、たまにいらっしゃいますよ、私に手を合わせる人が。
テリー あ、やっぱり(笑)。じゃあ、60周年はこれまでで一番ご利益のあるコンサートになるかもしれないですね。
美川 どうですかね。そうなるといいですけど。じゃあ皆さん、ぜひ手を合わせにいらしてください(笑)。
◆テリーからひと言
ゆっくり話すの初めてだったから、知らない話が多くて驚いたな。いつか「美川憲一神社」を作ってくださいよ。すごいご利益があるパワースポットになりますよ!
ゲスト:美川憲一(みかわ・けんいち)1946年、長野県生まれ。高校を1年で中退し、東宝芸能学校に入学。1964年、「第17期 大映ニューフェイス」に合格。1965年、シングル「だけどだけどだけど」でデビュー。1966年の「柳ヶ瀬ブルース」が120万枚を売り上げる大ヒットとなり、映画化もされ、初出演。その後も「釧路の女」「さそり座の女」など次々とヒットを飛ばす。その後、コロッケのモノマネや「タンスにゴン」のCMで注目され、ワイドショーやバラエティー番組に進出した。今年6月、デビュー60周年を迎え、「歌手生活60周年記念 美川憲一 コンサート2024」が6月6日(木)の大宮ソニックシティ大ホールからスタートする。