〈筒香の決勝弾に喜んでいていいのだろうか…〉
自身のYouTubeチャンネルに、そんなタイトルで疑問を投げかける動画を5月14日にアップしたのは、野球解説者の江本孟紀氏だった。
メジャーリーグで成功するという夢が破れ、5年ぶりに日本球界に復帰したDeNAの筒香嘉智。1軍昇格した5月6日のヤクルト戦、逆転3ランで即結果を出すと、5月11日の阪神戦では最大7点差をひっくり返し、8回に決勝点となる逆転2号ソロを放った。
「筒香選手が活躍するぶんには、大いに結構なことだと思うんですよ。筋書きのないドラマ、なんともいえないドラマティックな場面というのは、野球界の人気にも悪いことじゃない。いいことなんですけどね。もうちょっと冷静に考えないといかん部分もあるんじゃないか」
釈然としない表情でそう話す江本氏は、5月11日夜に出演したスポーツ情報番組「プロ野球ニュース」(フジテレビ系CS)を振り返る。
「筒香がホームランを打った時に、私は涙が出ました」
というアナウンサーの発言に、江本氏は「私も一瞬、それはそうなんだろうけど…」と思案するも、こうコメントしている。
「涙を出して悔しかったのは、むしろタイガースのピッチャーじゃないか。アメリカにいちばんいいい時に行って、成功しなかった人が帰ってきて、大歓迎で迎えて、DeNAはそれでいいと思うんですけど。ただ、相手側の選手にしたらですね、アメリカで調子が悪かったからって、日本で打たさないぞ、って空気もあっていいと思うんですよね。戦ってる方は美談を求めてるわけじゃなくて、勝負の世界で戦ってるわけですから」
速球に対応できないと言われ、それがアメリカでくすぶった原因ともされる筒香を封じるべく、各球団の投手陣は対策と研究を進めていることだろう。出戻りスラッガーは今後、DeNAにいかなる恩恵をもたらすか。
(所ひで/ユーチューブライター)