5月27日、午後10時45分からの新ドラマ「柚木さんちの四兄弟」(NHK)の第1話が、とんでもない展開になってしまった。
というのも、記念すべき第1話がドラマ開始からわずか2分足らずで、その画面は「Jアラート」に早変わり。日本政府から「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」と発表があったからだ。
こうした事態は、他局のドラマでも勃発した。まさにクライマックスシーンに差しかかり、視聴者が画面に釘付けになったところで、いきなりの「Jアラート」登場。SNS上では「なぜこのタイミング?」という苦情で溢れ返った。エンタメ誌ライターが苦笑する。
「NHKがひとまず放送延期を発表した『柚木さんちの四兄弟』は第1話の2分でしたから、まだマシだった。ところがそうではないドラマは、突然の中止で大事な結末がわからなくなった。金正恩への怨嗟の声が出るのは当然でしょう」
中には「なぜいつものように朝に発射しないんだ」というとんでもないクレームがあったが、朝でも発射は許されない事態だ。
「確かに北挑戦の弾道ミサイル発射は明け方や早朝に多い、という印象はありますが、昨年11月には今回と同じような22時43分に発射されています。今回は日本政府の発表のタイミングがドラマ放送とモロ被りになったことで起きた悲劇といえるかもしれません」(前出・エンタメ誌ライター)
視聴者の中には「TVer」のリアルタイム視聴に切り替えた人がいたようだが、そこでもJアラート報道の映像がそのまま流れていた。
なお、北朝鮮の朝鮮中央通信は「軍事偵察衛星を発射したが、新型の運搬ロケットが飛行中に空中爆発して失敗」と伝えている。
大事に至らなかったのはよかったが、まさかドラマファンに恨まれているとは、金正恩は思いもしないだろう。
(石見剣)