シカゴ・カブスの今永昇太がついに「メジャーの洗礼」を受けた。5月29日(日本時間30日)、敵地アメリカンファミリー・フィールドで行われたブリュワーズ戦に先発登板すると、初回にいきなり2ランを浴びて先取点を献上した。
さらに3回、一死一、三塁で4番アダメズにセンターへのタイムリーヒットを許すと、5番サンチェスにもタイムリー2塁打を浴び、立て続けに失点。7番パーキンスには131キロのスプリットをレフトスタンドに運ばれるなど、一挙に5点を与えてしまった。
5回途中81球で降板し、メジャー初黒星を喫した投球は被安打8、被本塁打2、7失点の大炎上だった。
今永はここまでフォーシームの強さを生かした投球で、9試合に登板して5勝無敗、防御率0.84の圧倒的な成績を残していた。規定投球回にこそ達していないものの、防御率は全体トップで、12イニング連続無失点中だった。それがなぜ暗転したのか。メジャー関係者が今回の試合を分析する。
「雨天中止の影響で中10日、休養十分のマウンドになるはずが、逆に悪い方に影響しましたね。これまで中5日のペースで投げていましたが、変則登板になったことで、肩が軽すぎたように見えました。初球ストライクを持ち味にしていたのが、この日はボールがかなり先行していましたね。高めを有効に使って抑えるため、少しでもコントロールが狂えば、長打を食らう可能性が高い。ここまで無双してきましたが、ついに捕まってしまった。次回登板からまた中5日に戻るでしょうが、ここからがまさに正念場と言えます」
この日の登板で規定投球回数に達し、防御率ランキング1位に返り咲くはずだったが、大量7失点したため、一気に1.86まで悪化。その座をフィリーズのスアレスに奪われてしまった。捲土重来を期待したい。
(ケン高田)