今季ここまで9試合に登板し、無傷の5勝と快投を続ける、カブス・今永昇太。防御率は両リーグの先発投手で唯一の0点台となる0.84で、もちろんトップ。地元メディアからは、このままいけば新人王候補どころかサイ・ヤング賞候補になる、との声が日増しに高まっている。
今永は5月24日(日本時間25日)の、敵地でのカージナルス戦が悪天候のため中止となり、ローテを1回飛ばしている。次回の登板は5月29日(日本時間30日)、敵地でのブルワーズ戦になる見通しだ。
クレイグ・カウンセル監督は地元メディアの取材に対し、
「タンクを補充するためにいくつかのことを行うことができれば、長い目で見れば有益かもしれない」
とコメントし、無理をさせない方針であることを明らかにした。
そうなると心配になってくるのは、タイトル争いである。実は間もなく、ナショナル・リーグの先発投手ランキングから、今永の名前が消えそうなのだ。スポーツライターが語る。
「今永の現在までの投球回数は53回2/3。チームは52試合を消化しているので、あと2試合で今永は規定投球回数未達になってしまいます。次回の登板は中10日で30日ですが、ここで早い回でマウンドを降りるようなことがあれば、すぐに規定投球回に届かなくなる。今永がタイトルを獲るためには、中6日を最後まで守ることが条件。これからの後半戦で、どこまで体力を温存させつつマウンドに上がるかが、課題になってくるでしょう」
サイ・ヤング賞を獲得した日本人投手は過去に、誰もいない。メジャーでは規定投球回数に達してタイトルを獲ることよりも、チームへの貢献度の方が高く評価される傾向があるという。ファンとしては大谷翔平を超える快挙達成を信じたいところだが、はたしてどうなるか。
(ケン高田)