シカゴ・カブス今永昇太の無双が止まらない。今永はここまで5勝0敗、防御率0.84と、メジャー1年目ながら驚異的な成績を残している。米スポーツメディア「FANSIDED」は現地時間5月20日(日本時間21日)に、「ショウタ・イマナガの契約は、彼を逃したほかの29チームが後悔しているもののひとつだ」と配信。今永の大活躍を特集記事で伝えた。
5月23日にMLB公式サイトが発表した最新の「先発パワーランキング」では、今永が堂々の1位に選出されている。パドレスのダルビッシュ有やドジャースの山本由伸はトップ10にすら入ることができなかったのだから、そのスゴさが分かるだろう。
もともと野球に対する「意識の高さ」は、ドジャースの大谷翔平にも決して引けを取らないと言われている。その今永が、メジャーで「伏線回収」していると、ファンの間で話題になっているのだ。
「援護がないという言い訳は、防御率0点台の投手だけが言える」
これは2016年4月14日、5回途中3失点も、無援護で3連敗した時の今永のコメントだ。今永はこの年、ルーキーながら開幕を1軍で迎え、先発ローテーション入り。9奪三振でデビューを飾った。非凡な才能を見せ、一度もノックアウトされることなく好投を続けたが、いっこうに勝ち星に恵まれなかった。そんな最中に飛び出したのが、この言葉である。スポーツライターが語る。
「とてもルーキーとは思えぬコメントに当時、多くの記者が感心させられました。この後、5月6日の広島戦でやっと無援護を脱出し、プロ初勝利を挙げたのですが、その時は『今日は広島ではなく過去の自分に勝つことができた』とコメント。解説の達川光男氏を唸らせています。カブスでも無援護で勝ち星がつかなかった試合がありましたが、0.84の防御率なら堂々と打撃陣の尻を叩くことができるでしょうね」
「投げる哲学者」と言われている今永。今季の活躍ぶりをみれば、また新たなワードが「今永語録」に追加されることだろう。
(ケン高田)