芸能界を代表する「おしどり夫婦」にも離婚危機があったようだ。しかし、そんな危機でさえ、2人の「仲の良さ」を強調してしまったというからお見事だ。
6月6日に放送された「ぽかぽか」(フジテレビ系)に出演したタレントの榊原郁恵は、2022年11月に61歳の若さで急死した夫・渡辺徹とのエピソードを明かした。
いくら「仲睦まじい」と称賛される夫婦であろうと、時には意見がすれ違い、けんかに至ってしまうことがあるのは当然のこと。榊原は「夫婦げんかって、きっかけを忘れちゃう。何がきっかけだったかわからないんですけど…」と言いながら、渡辺とのバトルを述懐したのである。
実は2人には「どんなことがあっても寝室は一緒」という、夫婦間の取り決めがあった。それを聞いた視聴者からは、夫婦がいつまでも仲良く過ごせる秘訣の1つだと、同調する意見が多数あった。
そんな榊原と渡辺の「あわや離婚」という大げんかは、その「仲良しの秘訣」である寝室が舞台となった。
渡辺と大げんかとなった際、榊原は「その時ばかりはもう、腹が立って、腹が立って」と、ついに寝室を別にすると決め、自身の掛け布団を寝室から榊原の個室へと運んだという。
すると一方の渡辺は、妻をなだめるどころか、「ドアの前にソファやスタンドを置く音が聞こえた」と榊原が言うように、なんと妻が部屋から出られないように「バリケード」を作り始めたというのだ。
夫の行動に怒り心頭の榊原は、気持ちを抑えながらも部屋の中にいたが、しばらくすると外へ出たくなった。意を決してドアを開けたところ、なぜかすんなり開いてしまう。
「私の(個室の)扉が引き戸だったので、パッと開いちゃったんですよ」と、榊原が元も子もないオチを語ると、スタジオは爆笑に包まれた。芸能ライターが話す。
「引き戸では、外にバリケードを作っても意味がないですね。まるで夫婦漫才。お茶目だった渡辺さんらしいのか、この夫婦らしいドタバタ劇なのか、どちらにせよ視聴者が『本当に仲が良かったんだね』と再確認できたエピソードでした」
渡辺の意味なしバリケードに、榊原は「バッカじゃないの!」とアキレたのだが、それで自然と怒りが収まったというから、さすがは「おしどり夫婦」だ。
2人はもっと長く夫婦生活を過ごしたかっただろうが、こんな秀逸な爆笑エピソードに、天国の渡辺はきっと顔を赤くして笑っているはずだ。
(石見剣)