「19年ぶりの11連勝」の次は、カード負け越し。千葉ロッテが6月6日の巨人戦を落とすと、試合後に吉井理人監督は、
「打線も下降気味、6連戦続きで投手陣もへばってきているので、ここが踏ん張りどころ。みんなでできることをしっかりとやっていきたい」
と冷静にチーム状況を分析していた。しかし、その「へばってきた投手陣」について、こんな指摘があるのだ。
「(佐々木)朗希がいないからだ」
佐々木は5月28日に1軍登録を抹消されている。同日の試合前練習に参加していたことからも分かる通り、ケガをしたわけではない。球団が「上半身の疲れが…」と説明した通り、「へばり」によるものだ。
「今季の佐々木の目標は、1年間を通して先発ローテーションを守ることでした」(スポーツ紙記者)
それが前半戦で躓いてしまった形である。もっとも、
「投げさせようと思えば、投げられた」(球団関係者)
そこを吉井監督は「無理をさせるべきではない」と判断し、休養を与えたのだろう。
ただ、こんな調子では、球団が今オフのポスティングシステムを認めてくれたとしても、メジャーリーグではやっていけそうもない。体力的に見て「務まらない」というのが客観的な評価なのだ。
「佐々木はここまで8試合に先発し、自ら志願して100球以上を投じるなど、ヤル気を見せてきました。100球以上を投げる体力はあっても、ローテーションを守る持久力が養われていません」(前出・スポーツ紙記者)
11連勝を振り返ってみると、佐々木は5月17日と24日に投げているが、勝ち星がついたのは24日。この間、他のローテーション投手は3度の先発マウンドに上がっており、佐々木の貢献度は「低い」と言わざるをえない。
「佐々木の抹消後、高卒2年目の田中晴也が先発し、阪神打線を5回無失点に抑えました。次回先発もあると聞いています」(前出・スポーツ紙記者)
佐々木が抹消にならなければ、救援投手を1人、休ませる日を作れたはず。連勝記録が続いたかもしれない。田中の台頭を見ていると、「佐々木ロス」後の投手編成はもう固まっているのかもしれない。
(飯山満)