蒔いた種が3年目にしてようやく芽を出し、グングン育ちつつあるようだ。
弱小チームだった日本ハムファイターズを蘇らせたのは、新庄剛志監督である。その勢いは、セ・パ交流戦で一段と明らかになってきた。
6月12日の中日ドラゴンズ戦は7-0で圧勝。貯金を6に増やし、パ・リーグ2位に浮上し、首位ソフトバンクを猛撃している。若手選手を育て、強豪チームに仕上げている新庄監督の手腕について、スポーツライターは次のように評価する。
「新庄監督が目指していた、スター選手作りが成功しています。それは『2024マイナビオールスターゲーム』ファン投票の中間発表を見てもわかる。DHを除く9ポジションで、日本ハムの選手がトップになっていますからね。昨年までの大胆な采配や奇策を封印して、手堅い試合運びで白星を重ねている点も見逃せません」
このまま安定期、そして黄金時代へ…と考えたくなるところだが、球団内では、とある不安が駆け巡っている。球団関係者が言う。
「低迷から救い、ファンが求める勝つ野球を実現しつつあります。強いチームへの道筋をつけたことで、新庄監督が今年限りで電撃辞任するのではないか、というわけです」
現役時代から何を言い出すか分からなかった新庄監督。選手として全盛期かと思われた2016年4月には、東京ドームでのオリックス戦で満塁アーチを含む2本塁打を放ち、ヒーローインタビューを受けたが、なんとその年限りでの現役引退を宣言。ファンと球団関係者を仰天させている。
「そうした事態を見越して、球団上層部は稲葉篤紀2軍監督を配置し、栗山英樹氏をチーフ・ベースボール・オフィサーに任命して、新庄監督がいつ電撃的に去ってもいいように、準備を整えています」(前出・スポーツライター)
型破りで世間の常識が通じない宇宙人監督。単年契約だけに、球団の懸念が現実のものとなる事態は十分に考えられるのだ。
(渡辺優)