日本ハム・新庄剛志監督の続投のカギは、前監督が握っているという。
日本ハムは7月26日の楽天戦(楽天モバイルパーク)で競り勝ち、球団ワーストタイとなる14連敗を阻止した。だが借金は膨れ上がるばかりで、2年連続最下位に向けて、突き進んでいる。新庄監督自身は続投に意欲を示しているが、本来なら2年連続最下位のチームを指揮しているだけに、去就は微妙なはず。日本ハムの井川伸久代表取締役社長兼取締役オーナーも、現段階では「まだ決まっていないです」と新庄体制の継続を明言していない。スポーツ紙遊軍記者は、
「本来なら、球団としては新庄監督の首をすげ替えたいところですが、実際はそう簡単ではないようです」
なぜなら、今季から新球場エスコンフィールドに移転したが、思った以上の成果ではないにせよ、それが観客動員数の伸びに関与していると考える勢力が、球団内にいるからだ。
日本野球機構(NPB)の公式発表では、今季の日本ハムは前半戦42試合を消化した時点での、本拠地の動員数は105万4505人。1試合平均では2万5107人を集客している。札幌ドームを本拠地にしていた昨季は、前半戦47試合終了時点での動員数が76万567人。1試合平均では1万6182人ということを考えれば、実に55.2%増だ。
この数字は新庄人気にあやかったものではなく、新球場移転へのご祝儀。来季も順調に集客数が伸びる保証はない。チームが好成績を残すのが一番の近道だが、現状の新庄采配では来季また指揮を執っても、優勝争いをするのは難しい。
そこで持ち上がっているのが、栗山英樹前監督のチーム復帰プランだという。地元テレビ局関係者は、
「監督復帰は無理でも、GMや球団首脳としてチーム強化に携わってほしい、という考えのようです。もし、栗山前監督が関わることになれば、新庄采配をどう評価するかわからない。バッサリ切る可能性もあります」
野球に関して誰よりも真摯に向き合う栗山氏が、新庄監督の過剰なパフォーマンスを許すのか、見ものだ。
(阿部勝彦)