もはや日本の「新・お家芸」種目として確定する日が近いほど、躍進が目覚ましい卓球。パリ五輪では宿敵の中国を倒しての、悲願の金メダルに期待がかかっている。
ところが日々、トップアスリートたちを追うテレビ局の面々の顔色は、どうにも悪いのだ。とあるスポーツ番組スタッフは、
「折からの円安が直撃して、映像使用料が高騰している」
と嘆き節だ。どういうことかといえば、
「卓球の国際大会の試合映像は、グローバル展開するスポーツマネージメント事務所が一括管理しています。そのため試合映像を使用するにはその都度、使用料が発生する。その金額が高騰しているわけです。以前なら1分間で10万円程度だったのが、最近は40万円ほどにまで上がってしまった。卓球の需要が日本で拡大したことで、足元を見られたのと、円安でそもそもの提示価格はそれほど変わっていなくても、為替の関係で支払額が大きくなってしまった。とても笑える話ではありません」
パリ五輪の卓球日本代表は、男子が張本智和、戸上隼輔、篠塚大登。女子は早田ひな、平野美宇、張本美和が選ばれた。
「卓球の五輪選考は、海外の試合に出場しないと稼げないポイント制。ですから、どうしても映像は必要になる。このままでは、扱いたくても海外の通信社から購入した写真を使って紙芝居形式でしか報じられなくなる」(前出・スポーツ番組スタッフ)
シャレにもならない事態は、すぐそこまで迫っているのである。