力士が土俵に上がった時、土を踏みしめる動作が「四股(しこ)」。稽古場でも体幹を鍛える基礎トレーニングとしてほとんど全ての力士が取り入れている。ポイントは足を肩幅に開いた状態で腰を落とした際、へそと骨盤を前に突き出すことを意識して背筋を伸ばすこと。片足をゆっくり持ち上げながら軸足に体重移動。足を上げたまま3秒停止してから、一気に足を下ろす。最後に再び背筋を伸ばしたまま腰を沈み込ませる。
スポーツトレーナーが言う。
「四股は江戸時代から伝わる究極の体幹トレーニング法です。足を開いて腰を落とすのはかなり大変。足を上げる段階でかなりキツいし、お尻に負荷がかかっているのがわかります。体幹が鍛えられれば、背中や腰が曲がらず正しい姿勢で歩けるようになります。また、1日10回、3カ月ほどで劇的にお尻がサイズダウンしてヒップアップの効果が出たという研究結果もあります。スクワットのようにひねる動きがないので、身体が重い人や、ひざに不安のある中高年にも適した運動です」
この四股トレーニングは、メジャーリーガーのイチローも取り入れている。
「イチローは打順を待つ間に必ず四股立ちをしています。そうすることで、体幹を整え、身体のブレをなくそうとしているわけです」(前出・トレーナー)
ベストボディを作りたいなら、男も女も「腰を振る」より「四股を踏む」ほうが良さそうだ。