トルシエジャパンではディフェンスラインの統率を担い、チームの頭脳的存在だったサッカー元日本代表の森岡隆三氏が、前園真聖氏のYouTubeチャンネルで、激動のサッカー人生を振り返った。
森岡氏は高校3年生になるまで世代別の代表に選ばれたことはなく、プロになれるなどとは思ってもみなかったという。
転機が訪れたのは、桐蔭学園高校1年生のサッカー選手権。のちにヴェルディ川崎の監督となる李国秀監督が突然、森岡氏を選手権で使うと宣言。自身もチームメイトも「なぜ森岡を?」と疑問に思ったという。
ミスを続けても起用され、李監督からアドバイスを受けて頑張っていると先輩たちから信頼され、選手権出場を獲得した。これをきっかけに選手として成長し、3年生の時には世代別代表に選抜され、プロ選手への道を切り開いた。
なぜ1年生の森岡氏を抜擢したのか、李監督にその理由を聞いたことはないという森岡氏。ただ、同じようなことはプロになってから、清水エスパルスでもあったそうで、
「清水は上手い先輩がたくさんいる中で、アルディレス監督は20歳ぐらいの自分をレギュラーで使って育ててくれた。引退後、監督になぜ使ってくれたのか聞いたら『お前が成長し続けたから』。李監督もそういうところを見ていただいたのかも」
森岡氏は現在、育成に携わる中で、その時のパフォーマンスではなく、選手の将来性を見るようにしているという。きちんと課題を克服するメンタリティーがあるかどうかを判断するのだ。
プロになるためには技術やフィジカルよりも、むしろメンタリティーが大切なのだ。
(鈴木誠)