今年4月から悪質ホスト問題に対応して、歌舞伎町で実施された「売掛廃止」。3カ月以上が経過した現在でも、ホストが女性客に体を売らせることを強要し、性サービス店に紹介しているというニュースを耳にすることがあるが、こうした行為はスカウトマンを巻き込み、職業安定法に違反する形で逮捕される事例が少なくない。
こうした状況下、ホストクラブに変化が見られるようになったと、都内のホストクラブ関係者が証言する。
「4月に売掛廃止が実施されて以降、ホストが女性客を管理してお金を使わせることができなくなりました。例えば『頂き女子りりちゃん』がSNSで知り合った男性から1億5000万円を騙し取り、そのお金をホストに使っていた事件では、ホストが詐取金だと知りながら受領したとして、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕されています。これを機に、ホストが女性客の仕事を把握することが難しくなりました」
つまり、ホストが売り上げのために女性客の金銭の出どころを把握、あるいは管理することができなくなっているのだ。その影響を受けているのは新宿などの路上にいる「立ちんぼ」だと、先のホストクラブ関係者は指摘する。
「これまではホストが売掛金を回収するため、女性を路上に立たせ、体を売るよう指示していましたが、それができなくなった。今年4月には、新宿・歌舞伎町の路上で女性客に立ちんぼをさせたホストが、売春防止法違反(客待ち)の教唆容疑で逮捕されています。売掛廃止が実施された頃から減り始めた立ちんぼですが、今は大久保公園の周辺を歩いてみても(写真)、めっきり少なくなりましたね」
つまり、大久保公園周辺で見かけるのは、ホストに強制されて立っているのではなく、自発的に立っている女性たち、ということになる。これまで問題視されていた立ちんぼは、ようやく姿を消しつつあるようだ。