「1億円の足」が、またもや華麗に塁を盗み取った。日本ハムファイターズ・五十幡亮汰がベルーナドームでの7月10日の西武戦で、7回に代走として途中出場。執拗な牽制をものともせず、見事に二盗を決めたのだ。
続く6番・田宮裕涼が送りバントを決めて一死三塁になると、新庄剛志監督は8番・石井一成の代打に郡司裕也を指名。郡司は青山美夏人から代わったヤンの4球目をセンターに運び、これが犠牲フライとなって同点に追いついた。
日本ハムその後、8回に3点、9回に2点を追加し、終わってみれば6-1の圧勝。怒濤の攻撃の口火を切ったのは、やはり「五十幡の足」といっていいだろう。試合後の新庄監督は、
「いつも五十幡君には助けられますね。よく走ってくれた。こうやって勝利を持ってきてくれる、1億円の足」
と満面の笑みで五十幡を持ち上げた。
五十幡は3年目の昨年、故障による2度の離脱はあったものの、70試合に出場してチームトップの17盗塁を記録。今季は主に代走がメインながら、出塁すればほぼ点に絡んでいることで、新庄監督からは絶大なる信頼を得ている。
「ケガをしない体作りと2割5分の打力がつけば、間違いなくレギュラーに昇格できるでしょうね。本人も盗塁王のタイトルは、何がなんでも手にしたいと考えていることでしょう」(スポーツライター)
かつてパ・リーグ盗塁王13年連続、年間106盗塁という世界記録を樹立した阪急(現・オリックス)の福本豊は、盗塁世界新記録を目指している時に、足に1億円の保険がかけられていたのは有名な話。新庄監督の五十幡の評価は、まさに福本レベルということだろう。
(ケン高田)