日本を代表する80年代の女性アイドルといえば、真っ先に浮かぶのは「松田聖子」だろう。
1980年4月1日にシングル「裸足の季節」でデビューした聖子は、その年10月に発売されたサードシングル「風は秋色」から、88年9月に発売された26枚目の「旅立ちはフリージア」まで、なんと24曲連続でオリコン週間シングルチャート1位を獲得するという大記録を打ち立てた。まさに、80年代を代表するスーパーアイドルなのである。
そんな彼女が大ブレイクするきっかけとなったヒット曲で、オリコンチャートこそ2位が最高位だったが、当時の大人気歌番組「ザ・ベストテン」(TBS系)で初めて1位を獲得したのが、80年7月に発売された「青い珊瑚礁」だ。
この44年前のヒット曲が実は今、韓国で大人気だというのだ。一体なぜなのか。
「日本で先月デビューシングルがリリースされ、若者を中心に人気がまさに沸騰中という韓国発の5人組ガールズグループ・NewJeansの影響です。彼女たちは6月26・27日に東京ドームでファンミーティングを行いました。その中で、メンバーのハニがソロでカバーしたのが『青い珊瑚礁』だったのです。影響力はもの凄く、韓国の音楽チャートにすぐにランクイン。ちなみに7月9日現在、Apple Musicの韓国デイリートップ100で同曲は12位にランクインしています」(音楽誌ライター)
ハニの歌う「青い珊瑚礁」は、8月6日に放送された「THE MUSIC DAY 2024」(日本テレビ系)でも披露され、大きな話題となった。音楽誌ライターが続ける。
「かつて、韓国で日本の大衆文化が法令で禁止されていたのがウソのようですね。1998年から2004年にかけて日本の文化解放措置が取られ、今ではほとんどの分野の規制が緩和されています。現在は、日本の70年代や80年代のシティ・ポップが世界的ブームというのは有名ですが、その波は韓国にも押し寄せています。NewJeansが日本のライブで日本の80年代アイドルの楽曲を披露したのは、こうした流れによるものでしょう」
ところで、意外なところで44年前のヒット曲がブレイク中という当の本人、聖子は62歳にして初の東京ドーム公演開催を願っていると「女性自身」が伝えている。
若い世代に聖子の楽曲人気が高く、親子でコンサートに訪れるファンが多いことが理由だ。しかし、彼女のコンサートチケットはファンクラブ会員優先で、新規では入手困難という状況にある。そのため「初めての人にも来てほしい」という本人の要望があり、普段の日本武道館クラスを大幅に超える東京ドームプランが浮上しているというわけだ。前出の音楽誌ライターがこのプランを後押しする。
「彼女がこれまで東京ドームでコンサートを開いていなかったことに、むしろ驚きました。実績なら、日本のテイラー・スウィフトと言っていいですよ。今後、韓国で聖子ブームが盛り上がるようなら、そちらからの集客も見込めます。東京ドームはソールドアウト間違いなしでしょう」
さらに会場にNewJeansのメンバーが訪れようものなら、ドームがひっくり返るようなパニックとなりそうだが…。
(石見剣)