◆プロフィール ふくだあかり 「1年で魚を100種類釣る」を達成。海から淡水まで何でもござれのオールラウンダー。テレビ「フィッシング倶楽部」(テレ玉)やスポーツニッポン「ふくだあかりの竿頭になりたい!!」などで活躍中。茨城県出身。公式ブログ http://ameblo.jp/tsuri-365/
【前回のあらすじ】 釣り人の憧れ「マグロ」にチャレンジすることに。舞台は東京から1時間ちょっとの相模湾。釣り上げるまでに何年もかかる人がいるほどだが、釣りを始めてわずか2年の彼女が、巨大魚をその手にすることはできるのだろうか!?
釣りをこよなく愛し、野心もたっぷり、狩猟本能は男勝りな私だけに、マグロは当然憧れの魚。とはいえ、初めて狙った時は釣りを始めてわずか2年のペーペー。マグロってどうやって釣るの? という状況でした。まずはタックルの扱い方から勉強です。
相模湾でのルアーを使ったキハダ釣りの基本は、キャスティングゲーム。ルアーを投げられなければ話になりません。ところが、大きなマグロを釣る道具は当然でかくて重い。太いロッドにごっついリール、太いラインと自在に操るのは初心者には、ほぼ不可能なんです。
まずはルアーを正確かつ遠くに投げられるようにしなければなりません。というわけで投げる練習から始めます。ところが、最初はルアーを飛ばすことすら難しいんです。飛距離は出ないし、飛んで行く方向はいつもバラバラ。それでも何日も練習していくうちにだんだんとうまくなってきます。こうしてマグロを釣る準備を整えて、初めて海に出ることができるんです。
いざ海に出たら、マグロがいる場所を探して東へ西へ。マグロは餌になる小魚を常に追いかけています。深いところでも捕食していますが、キャスティングでは、小魚を水面に追い立てて捕食する瞬間に狙いを定めます。それを探し出すことからマグロ釣りは始まるんです。船長はソナーを使い、釣り人は水面やその上空に注意を払います。
マグロが水面近くで小魚を追っている時、その上には小魚を狙う鳥の群れがいるケースがあり、それを「鳥山」と呼びます。鳥山を見つけたらチャンス! さらにそこでマグロが跳ねだすことを「ナブラ」と言い、一番の狙いどころ。見つけただけで興奮で足がガクガクとすくむほど! 釣り人がナブラに向かって一斉にルアーをキャストし、マグロが自分のルアーを食う瞬間は、心臓が止まるような緊張と、全身に鳥肌が立つような興奮で、めまいがするほどアドレナリンが沸き上がってきます。この感覚を一度でも味わってしまうと、もうマグロ釣りから足を洗うことができなくなるのです。
私もその感覚を味わうまでに時間がかかりました。でもチャンスは必ず巡ってくるもので‥‥。