メキシコ中西部、ハリスコ州の州都グアダラハラは「西部の真珠」と呼ばれる、モンテレイと並ぶメキシコ第2の都市だ。そんなグアダラハラに1561年に建設されたグアダラハラ大聖堂はこの地で最も古い教会で、グアダラハラのシンボル的存在として国の内外から連日、多くの観光客が訪れている。
2014年のある日、そんな大聖堂を訪れた男性観光客が、大聖堂内のガラスケースに安置されている少女のミイラを動画で撮影した。するとその動画を見た家族が、動くはずのない少女の瞼が動いていた、と訴えたのである。
そこで男性が改めて確認してみると、3秒ほどではあるものの、確かに閉じていた瞼を見開いている。少女のミイラが300年の時を経て蘇ったと、現地メディアが大騒ぎになったのである。海外の心霊現象に詳しい研究家が解説する。
「この少女のミイラは、『サンタ・イノセンシア』(穢れを知らぬ聖なる人)と呼ばれ、亡くなってから300年間、このガラスケースの中で眠っているといわれています。当時、少女の家では厳格な父により、カトリック信仰が禁じられていたのですが、少女は修道女と親交を育む中、カトリック教徒になることを決意した。しかし、それを父親が認めてくれるはずもないため、彼女は父親に黙って聖体拝領(ローマ・カトリック教会でいう聖餐式)を終えてしまった。当然、その事実を知った父親は激高。口論の末、父親が少女を刃物で刺してしまったそうです。2人の口論を聞いた近所の住人が家へ駆けつけた時、すでに少女は息絶える寸前だった。そこで我に返った父親は、信仰により殉死した少女の体を大聖堂に運んだのです」
大聖堂では神への信仰を命を賭してまで守った彼女を「聖少女」として丁重に扱い、遺体を防腐処理した。その後、300年にわたり、大聖堂に安置されることに――。
そんな少女の瞳がいったいなぜ、300年の時を経て開いたのか。何かの啓示なのか、あるいは単なる物理的な現象なのか。この映像は現在もYouTube等で確認できるが…。
(ジョン・ドゥ)