今季5度目のサヨナラ負けに、中日ファンは天を仰いだ。7月28日に甲子園で行われた阪神戦、中日は2点ビハインドで迎えた9回、一死一・三塁で7番・中田翔がレフトへのタイムリーヒットを放ち、土壇場で同点とした。しかし健闘虚しく、延長戦の末にサヨナラ負けを喫し、後半戦最初のカードを3連敗で終えた。
勝負は時の運とはいうものの、ファンとしては納得がいかなかったのが、9回二死満塁での立浪和義監督の采配ではないだろうか。立浪監督は投手・橋本侑樹の代打として、今季わずか15打席しか立っていない中島宏之を起用した。中島は一打勝ち越しの場面で、高めのつり球に空振り三振に倒れ、逆転の好機を潰してしまったのだ。
これには中日ファンがア然とするしかなかったようで、「打点拒否打法」「代打の切り札(.000)」などと、辛辣な論評が出ることに。
9回にマウンドに上がった阪神・岩崎優は本調子ではなく、打者8人に対して43球も投じている。じっくりと球を見極めていけば、一打逆転のチャンスはあっただろう。ところが中島はあっけなく、3球三振で終わってしまった。7月27日に続く代打三振に、中日ファンは納得がいかなかったようで、立浪監督の采配には疑問の声が上がったのである。
中島はここまで、13打数無安打。NPB通算350二塁打まであと1、1000打点まであと5、名球会入りの2000安打まで72本に迫っているが、今の調子では記録のための代打起用と捉えられかねない。
ファンとしては、打てない中島を代打にするくらいなら、いっそ「構想外」がウワサされているビシエドにワンチャン懸けたいのではなかろうか。
(ケン高田)