パリ五輪・柔道男子60キロ級の準々決勝で、対戦相手の永山竜樹を失神させたスペインのフランシスコ・ガルリゴスのSNSが大荒れしている。
準々決勝は終盤、審判員から「待て」がかかった後も6秒間にわたって永山を絞め続けたガルリゴスが「片手締め」で一本勝ちして、準決勝に進出していた。試合後、ガルリゴスは「審判員の『待て』は、音がうるさくて気付かなかった」と地元紙に語っている。
本当に「待て」が聞こえなかったのかどうかは、ガルリゴス自身にしかわからないことだが、多くの日本人は判定に納得がいかなかったことだろう。現在、戦いの場は畳の上からオンラインに場所を移し、双方の応援者がバチバチの論争を繰り広げている。
ガルリゴスのインスタグラムには、不可解判定への抗議が世界中から寄せられています。もっとも、スペイン人は「永山は握手さえしなかった」「Chinito(アジア人の差別用語)」などと、しっかり擁護に回っている。
一方でTikTokでは、スペイン人からも「しっかりルールは守るべき」といった意見が上がっており、洋の東西を問わず、グローバルな見解が示されている。SNSによって、捉え方の違いや温度差がずいぶんとあるものだ。
永山は日本時間7月30日に自身のXを更新すると、
〈ガルリゴス選手が会いに来てくれました! 彼から謝罪の言葉がありましたが、彼にとっても不本意な結果だったと思います。オリンピックの舞台で彼と全力で戦えた事を幸せに思います。誰がなんと言おうと私たちは柔道ファミリーです!〉
和解のツーショットを公開し、再出発を誓っている。
遺恨を残す試合となったが、この言葉を機に場外論争に終止符が打たれるのではないだろうか。
(ケン高田)