「ピッチャーが急激に良くなるということはまずないよね。それを支えるのはヤクルトには打撃というのがある。ピッチャーが悪いんだったら、バントなんかしている場合じゃない。常に大量点を取るしかない」
これは野球解説者の高木豊氏が7月30日、自身のYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉での論評である。最下位争いに甘んじるヤクルトがAクラスに浮上するために、大量点がカギだとしたのである。では具体的にどうすればいいのか。高木氏の提案は大胆なものだった。
「1番、丸山(和郁)でも何でもいいわ。西川(遥輝)でもいいし、出塁率の高い人間を置いて、村上(宗隆)を2番に固定だよ。(村上は)いちばん打てるのと、いちばん打ってほしいのと、ここで打順を早く回したいということ。村上が2番にいることによって、外野手が下がるから。1番・丸山は足が速いから(出塁していれば、村上がヒットを)打ったら一、三塁を作れるよ。3番、長岡(秀樹)でもいいよ。そうなってきたらサンタナ、オスナ、6番・中村(悠平)でいい。打てる人間を前に持ってくる。そういうふうに組んでいくしかない」
7月30日の試合終了時点で、ヤクルトの本塁打64本はDeNAと同数でトップ。チーム打率2割3分9厘は、DeNAの2割5分2厘に次ぐ2位である。
ところがチーム防御率3.44は、5位・DeNAの3.07を大きく下回る最下位だ。あながち間違ってはいない高木氏の自論だが、確かに村上の打席が増えれば、おのずと本塁打増も期待できる。19本塁打でリーグトップを走る村上にとって、岡本和真(巨人)、牧秀悟(DeNA)の16本塁打を大きく突き放すチャンスでもあるのだ。
高津臣吾監督の耳に、高木氏の大胆なアイデアは届いているだろうか。
(所ひで/ユーチューブライター)