日本時間の7月30日、パリ五輪の男子サッカーはグループリーグ第3戦が行われ、D組の日本はイスラエルと対戦。GK小久保玲央ブライアンが相手の再三の決定機を防ぎきると、後半アディショナルタイムにFW細谷真大が先制ゴールを決め、そのまま1-0で勝利をもぎ取った。
これで日本はグループリーグを3戦全勝で1位突破。次戦は8月2日、C組をまさかの2位となったスペインと準々決勝でぶつかる。
予想以上に失点が多く2位に終わったが、スペインはA代表がユーロ2024を制しているように絶好調。実は日本は1位で出ない方がよかったのではないかという、弱気な声が一部から聞こえているのは事実だ。
それについて、1968年のメキシコシティー五輪以来の56年ぶりのメダル獲得を狙う日本にとって、安心データと不吉データの両方が混在しているとサッカーライターは説明する。
「84年のロサンゼルス大会以降、過去10回の五輪男子サッカーでグループリーグを全勝で突破した国は全部で9カ国あります。そのうち、8つの国がメダルを獲得しました。長丁場のW杯と違い、若い選手が多いことで勢いのある国がそのまま突き進んでいくという傾向が出やすいのでしょう。ところが9カ国中、唯一メダルを逃したのが3年前の東京大会の日本なのです。しかも日本が準決勝で敗れた相手はスペイン。はたして『安心』か『不吉』のどちらに転ぶのか…」
東京大会ではその後、日本はメキシコと3位決定戦を行い1-3で敗戦。念願のメダル獲得が叶わなかったのだ。
だが、日本のメダル獲得を後押しする有難いデータがあると、前出のサッカーライターが声を大にする。
「グループリーグを3戦全勝で通過した9カ国のうち、無失点で突破した国はたったの3つだけ。92年バルセロナ五輪のスペインは金、04年アテネ五輪のアルゼンチンも金、08年北京大会のブラジルは銅と、3カ国すべてがメダルを獲得しています。これは『安心』です」
これで「安心」が2つに「不吉」が1つ。2-1で日本が勝つと言ったら、単純すぎるとお叱りを受けるだろうか。
ちなみに、今大会でグループリーグを全勝&無失点で通過したという意味ではフランスが同じ。フランスも準々決勝で優勝候補のアルゼンチンと対戦するが、もしもデータ通りに進むとするなら、日本が決勝戦で開催国のフランスと激突する可能性は高い。
ぜひ、そんな熱狂必至の瞬間に日本国民を連れて行ってほしいものだ。
(石見剣)