現在のプロレスをどうこう言うつもりはありませんが、私が最も思い入れがあるのは、やはり昭和のプロレスです。それもベタを承知で言わせていただければ、初代タイガーマスクには当時、心酔しておりました。
それは、とある金曜日のことでした。我が家ではプロレスを見る習慣がなかったのですが、この日、いつも通りテレビで「ドラえもん」「宇宙刑事ギャバン」と続けて見ていた私は夜8時になり、本来なら「太陽にほえろ!」にチャンネルを回す(当時の我が家のテレビはチャンネルがダイヤル式でしたから、文字通り回していました)ところを、なぜかそのまま変えず。そこに映った黄金の虎のマスクを被った男の、今まで見たこともない動き、つまり「四次元殺法」に目を奪われてしまいました。と同時に「めちゃくちゃカッコイイ!」と、心も奪われたのでした。
その後は毎週、タイガーマスク目当てに「ワールドプロレスリング」を見るようになったのは言うまでもありません。
確かに最近のプロレスの方が、動きや技の「派手さ」や「速さ」は上かもしれません。が、それだけではない、ジュニアヘビー級の試合とは思えない「重さ」や「説得力」が、初代タイガーマスクの技にはありました。サマーソルトキック、フライング・ローリング・ソバット、タイガースープレックス、スペース・フライング・タイガー・ドロップ…などなど。
颯爽とトップロープに飛び乗って人差し指を天に突き上げる、入場時のポーズや、対戦相手の周囲を独特の足取りでリズミカルに回る「タイガーステップ」(ハリウッドザコシショウがものまねするアレです)のようなムーブだけを見ても、非常に魅力的でした。それだけに、1983年8月の突然の新日本プロレス離脱には「なんでだよ~!」とテレビの前で涙したものです。
その後、初代タイガーマスクはUWFに参戦し、マスクやコスチュームを一新して「ザ・タイガー」「スーパー・タイガー」のリングネームで活躍することになるわけです。
さて、そんな初代タイガーマスクのマスクの数々が、カプセルトイになって発売されました。その名も「蘇る猛虎伝説 初代タイガーマスク・コレクション」。博報堂より、1回500円です。
ラインナップは①初代タイガーマスク 伝説モデル、②初代タイガーマスク ヤギリモデル、③ザ・タイガー、④スーパー・タイガーの4種類。
今回、私は②(写真中央)、③(写真左)、④(写真右)をゲット。マスク職人の中村ユキヒロ氏が監修しており、とにかく非常に細かいところまで再現されています。
ちょうど私がタイガーマスクと初めて出会った頃の①「伝説モデル」のみ未入手なのが悔やまれますが、市場ではすでに品薄状態。私のように、かつて黄金の虎に心を踊らされた貴兄は、見かけたら即ゲットすべきです。
(カプセルタロウ)