エナジードリンクを販売する世界的な飲料メーカー「レッドブル」が、NTT東日本から大宮アルディージャを買収すると発表した。これによって、大宮アルディージャは大きく変わることになる。
Jリーグはチーム名に企業名を入れることができないため、チーム名は「RB大宮アルディージャ」に変更される見通しだ。レッドブルはすでに海外のチームを保有し、チーム名に「レッドブル」を入れているが、企業名がつけられないドイツ・ブンデスリーガのライプツィヒは「RBライプツィヒ」となっている。大宮もそれに合わせることになりそうだ。
レッドブルは買収したチームのクラブカラーとエンブレムを統一しているため、大宮のクラブカラーはオレンジとネイビーから、白と赤に変更されるとみられている。
クラブカラーで思い出されるのが、ヴィッセル神戸だ。週刊誌記者が2004年の買収を振り返る。
「楽天の代表取締役である三木谷浩史氏が代表のクリムゾンフットボールクラブが、ヴィッセル神戸を買収しました。神戸は当初のメインスポンサーであるダイエーがクラブ経営から撤退し、長く資金難に苦しんできたので、資金力のある楽天の買収は、サポーターの間で歓迎されました。ところがユニフォームを、白と黒の縦縞から楽天のコーポレートカラーであるクリムゾンレッドに変更すると、サポーターの一部が強く反発。チームカラー変更を凍結するための署名を集めましたが、結局は強行されました。今は反対するサポーターは少なくなりましたが、一定程度は存在しています」
同様の問題は、大宮アルディージャでも起きるかもしれない。ただ、買収が発表された時点では、大きな騒ぎにはなっていない。大宮サポーターはその理由を、
「2016年にJ1リーグで5位になった大宮ですが、翌年にJ2降格。昨年はJ3にまで降格しました。低迷の理由ははっきり言って、フロントにあります。レッドブルの買収によってフロントが一新され、チームが強くなるのであれば、チームカラーが変わってもいい。それぐらいの代償は払ってもいいというのが、サポーターの思いなんです」
大宮アルディージャは現在、J3の首位を独走中で、J2昇格は確実な情勢だ。再来年にはJ1で旋風を巻き起こすかもしれない。その時、ユニフォームの色は白と赤だろう。
(鈴木誠)