問題を起こすことは多いが、チームに対する愛と献身なら日本一、いや世界一と言える浦和レッズのサポーター。それを改めて示す、前代未聞の出来事が起きた。
浦和は「AFCチャンピオンズリーグ」の決勝戦で、アジア王者の座をかけて、サウジアラビアの強豪「アル・ヒラル」と対戦する。4月30日には敵地でアウェー戦を行い、5月6日にはホームの埼玉スタジアムで対戦する予定だ。
サポーターが浦和愛を証明してみせたのは、アウェー戦。試合は4月30日の午前2時30分(日本時間)にキックオフとなるが、なんとこの時間に埼玉スタジアムで、パブリックビューイングが開催されるのだ。スポーツ紙記者が感嘆の声を上げる。
「W杯の試合ならともかく、クラブチームの試合でこんな時間にパブリックビューイングを行うなんて、聞いたことがありません。当然、公共交通機関は動いていないので、まだ電車が走っている前夜23時30分に開場し、キックオフまでは、これまでのACLのハイライト映像を流すとか。試合後は電車が動くまで待機。これまでに例のない、ハードなパブリックビューイングです」
参加するサポーターがどれほどいるのかと、余計な心配をしたくもなるが、浦和の発表によれば、4月21日時点で7500人を超える観覧希望が寄せられているという。試合はDAZNで放送され、会場でなければ試合を見られないわけではないのに、これだけの人が集結するのだ。
「チーム力はサウジアラビア代表選手が多数所属するアル・ヒラルが上です。ただ、サポーターの力があればもしかしたら…と思わせてくれる。仮にアウェー戦で負けても、点差が開かなければ、埼玉スタジアムを埋め尽くすサポーターがいるホームで、逆転することができる」(前出・スポーツ紙記者)
サポーターの後押しを受けて、浦和レッズが3度目のアジア王者に輝く瞬間は、すぐそこまで来ている。