社会

本当はコワ〜い「歴史美女」の闇素顔〈幕末編〉坂本龍馬が伝説の女剣豪に「ストーカー」されていた

 戦国時代以上の動乱期である幕末には、新時代を夢見る志士がいて、その周囲にはコワ〜い女傑たちがいた。特に幕末の英雄とされる坂本龍馬の周辺は騒がしかったようで‥‥。

 龍馬の周囲にいた女傑として知られるのは、千葉佐那(さな子)である。龍馬が江戸遊学中に通った桶町千葉道場の道場主(定吉)の娘だ。跡部氏がこう解説する。

「佐那は一時、広尾の宇和島藩邸に奉公へ上がり、姫君の武道指南を務めました。そんな彼女の姿が前藩主の伊達宗城の目にとまり、彼が日記などにあれこれ書き留めているんです」

 その容姿について、藩邸に勤める女性の中で〈一番よろしく〉と誉め、〈男子も弱き者は負けそう〉というから、稽古で男どもを竹刀で斬り伏せる美人剣士の姿が目に浮かぶではないか。

 しかし、コワ〜い女傑としたのは何も剣豪だからという理由だけではない。それは佐那の言動がゆえである。跡部氏によると、

「明治の半ば頃、雑誌に佐那のインタビュー記事が掲載され、そこで彼女は龍馬と結納を交わした仲だったと、今でいう〝爆弾発言〟をしているんです」

 龍馬の妻といえば、おりょう(楢崎龍)と、多くの日本人が知っている。ところが、佐那は龍馬とおりょうが夫婦の仲であることを長らく知らなかったとされ、じっと待っていたというのだ。

「佐那の話が本当だとすれば、龍馬が心変わりしたのか。それとも龍馬との結婚の約束を信じた佐那は、明治になっても一方的に思い込んでいた可能性もあります」(跡部氏)

 一途な恋とも捉えられるが‥‥。おりょうの証言も明治半ばに「土陽新聞」に掲載されている。その記事中、佐那について語るくだりがあり、龍馬は〈(佐那が)俺のために随分骨を折っていてくれたが、俺はなんだか好かぬから取り合わなかったと話していた〉というのだ。となると、佐那はストーカーだったのか。女剣豪に付きまとわれていたとなれば、かなり怖い話だ。

 一方、おりょうの方も、なかなかの女傑だ。青蓮院宮の侍医・楢崎将作の長女として生まれたが、父の病死後、家族は離散。その後、彼女は龍馬と出会い、内祝言をあげて、彼女の身柄は龍馬をよく知る「寺田屋」の女将・お登勢に託された。

 その寺田屋では有名な事件が起きる。慶応2年(1866)正月、京で薩長両藩の秘密会合に参加して寺田屋に戻ってきたところ、龍馬をマークしていた伏見奉行所の捕り方に踏み込まれたのだ。その時、おりょうは入浴中で物音を聞きつけ、裸で龍馬たちに異変を知らせたという逸話があるほど、勝ち気な女性だった。歴史ライターの上永哲矢氏もこう話す。

「龍馬とおりょうは日本初の新婚旅行として鹿児島の霧島温泉に出かけたことで有名です。その際、薩摩藩の吉井幸輔の長男が案内人として帯同し、その時に目撃した龍馬とおりょうの様子が文献として残っています。旅行中に喧嘩をして、朝から気まずい様子を伝えて、最終的に龍馬が泣いて謝ったというのです。おりょうは、それほど気の強い女性だったのでしょう」

 ただ、おりょうは晩年、アルコール依存症に陥ったとも伝えられ、酒に酔っては「自分が龍馬の妻だ」と話していたとも言われる。

「明治になって、龍馬の知名度が上がっていきました。おりょうと佐那の言動も、龍馬にしてみれば死後に払った有名税かもしれません」(上永氏)

 幕末の女傑といったら、明治の元勲の1人、桂小五郎(後の木戸孝允)の妻・松子を忘れてはいけない。幾松という名で京都では人気芸妓だった。その頃に小五郎と知り合っている。

「そんな松子は、夫の長州藩士時代、藩が朝敵となった後も京に潜伏する小五郎を匿いました。よって、小五郎の消息を知る人物として、彼女自身も危ない目に遭い、襲いかかろうとする相手に三味線を膝にかけてへし折り、それを投げつけて逃げ去ったという逸話もあります」(跡部氏)

 いつの時代も美女は強くたくましい。だからこそ、男にとっては魅力的であり、怖い存在でもあるのだ。

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