6月に第9期叡王戦5番勝負の最終第5局で3勝2敗と勝ち越し、小学校時代のライバルで、八大タイトルを独占していた藤井聡太七冠を破った伊藤匠新叡王が8月23日、都内で行われた「第9期叡王就位式」に出席した。
伊藤新叡王は緊張した面持ちで臨席したが、就位状とともに副賞の「カントリーマアム」1年分の目録などが贈られると、ようやく表情を崩した。
就位式に駆けつけた師匠の宮田利男八段からは、座右の銘が贈られた。超進学校を中退後、21歳で初タイトルを獲るまでの、人知れぬ苦悩を支えたであろう師匠の「人間、辛抱だ」という言葉とともに花束を受け取った伊藤叡王は、
「大変ありがたい言葉をいただきまして、胸に刻んで生きていきたい」
と応えていた。
叡王戦主催者である不二家から贈られた「カントリーマアム1年分」とは、どれくらいの量なのか。参考にしたのは、過去に不二家の「コンテスト」や「懸賞」で「不二家のお菓子1年分」をもらった人たちのブログやSNSだ。
それらによると「ダンボール2箱」から「ダンボール4箱」とばらつきがあるものの、不二家のチョコレートや懐かしいミルキー、ソフトエクレアなど、溶けやすいものは別便のクール便で届くという。あれこれ総合すると、「お菓子1年分」とは「ダンボール4箱」が相場のようだ。
伊藤叡王に贈られたカントリーマアムは常温保存できるのと、賞味期限がメーカー製造日から9カ月なので、何回かに分けて送られてくるのかもしれない。ダンボールの大きさにもよるが、業務用スーパーやディスカウントストアで売られている「業務用カントリーマアム」1箱には、バニラ味とココア味18枚入り大袋が64も入っている(個別包装50枚入り、100枚入りの小箱売りもある)。1箱で1152枚、1枚が10グラム前後なので、10キロ超。業務用1箱だけでも、お菓子の家が作れるんじゃないか、というボリュームだ。
もしかすると秋の夜長、伊藤叡王本人、もしくはIT関連や知的財産の法務解説コラムでおなじみの賢父・伊藤雅浩弁護士のSNSに、カントリーマアムでお茶をする家族団らん写真が登場するかもしれない。
(那須優子)