南米チリにあるアンデス山脈と太平洋の間に広がるアタカマ砂漠は、平均標高が約2000メートルとされ、降水量は世界一少ない。この砂漠への道は、その昔から「死への道」と恐れられた。
そんな過酷な環境にある砂漠周辺で、2000年頃から頻繁に目撃されているのが、数種類の「カンガルー型UMA」である。
そのうちの「ゲクフ」というカンガルー型恐竜は、アメリカ軍に捕獲された後、脱走してこの砂漠に迷い込んだ。2004年にはその姿が詳細な調査結果とともにネット上にアップされ、大きなニュースに。UMAジャーナリストの解説を聞こう。
「米軍によって捕獲されたとされるゲクフはハイエナに似た顔で犬のような耳を持ち、たてがみは馬のそれと似ている。全体が赤い体毛で覆われています。草食性の哺乳類で、大半がつがいで行動をともにするといいます。ゲクフという名称は、地元に古くから伝承する悪霊の名前だそうです」
ところが近年、この砂漠の周辺地域で、ゲクフと同じ特徴を持つものの、色や特徴が若干異なるカンガルー型UMAの目撃情報が多発。それが「ヴィルコ・モンスター」と「アリカ・モンスター」と呼ばれるUMAだ。
チリのヴィルコという街で多数目撃されているヴィルコ・モンスターはカンガルーに似た生物で、背中にはトゲのようなたてがみがあり、顔はオオカミ似。目は赤く、曲がった手にはカギ爪があり、ガラガラと鳴る尻尾を持っている。ゲクフと異なるのは、肉食性という点だ。
もう一種のアリカ・モンスターは、砂漠周辺の道路で目撃される。これも背中にはトゲがあり、二本脚で跳ねるように移動。
「ただ、こちらはその特徴から、チュパカブラではないかという説もあります。実際のところ、まだ正体の特定には至っていません」(前出・UMAジャーナリスト)
とはいえ、同じ地域で、同じような風体をしたモンスターがこう次々に目撃されているのは、一体どういうことなのか。このUMAジャーナリストの見解はというと、
「一説には、つがいで行動するゲクフが交尾を繰り返す中、突然変異で別のモンスターが誕生し、それらがまた交尾を繰り返し、新たなモンスターを生んだのではないか、と。つまり、この砂漠周辺に生息する彼らは皆、ゲクフの進化系なのではないかということです」
それが事実なら、まさにアニメの「ポケモン」さながらだが…。
(ジョン・ドゥ)