華やかに見えるアナウンサーの世界だが、一般に高給取りといわれる局アナからフリーに転身した瞬間、天国と地獄に分かれるケースは枚挙にいとまがない。
元日本テレビアナウンサーで現在はフリーアナウンサーの上重聡が、自身と同じ今年3月末に日本テレビを退社した藤井貴彦との退社後の格差を嘆いたのは、6月28日放送の「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)でのことだった。自虐的に「辞めても藤井さんは『news zero』、私は〝仕事ゼロ〟」と語り、出演者の苦笑を誘った。
当時の回は、フリーアナウンサーたちが大集結し収入事情をぶっちゃけ告白するという企画だったが、元TBSの国山ハセンや元テレビ東京の森香澄が、局アナ時代より収入が倍以上に増えたとドヤ顔状態だった一方で、上重は「5月はほぼゴールデンウイークでしたね。(ゴールデンウイークが)こんなに長いんだと思ったのは人生で初めてでした」と、当時は仕事のオファーがいかに入っていないかを伺わせた。
そんな上重だが、それから2カ月経った8月22日に同番組に再登場すると、番組オープニングで「浜田さん(状況が)変わりましたよ」と、MCの浜田雅功に嬉しそうに報告したのだ。
どうやら、上重には2月の番組出演直後から仕事のオファーが殺到。日本ジュエリーベストドレッサー賞や甲子園100周年特番のMC、さらにはファッション誌「anan」の撮影など、合わせて30本ほどのオファーがあったという。いわく「前回は〝仕事ゼロ〟と言っていたんですけど、今は〝仕事エブリィ〟に変わってきまして…」と、絶好調の様子。
「フリーアナウンサーといっても、大方は芸能事務所に所属しています。しかし、上重の場合は芸能事務所に所属せず、マネージャーも雇わず、すべて自分1人でこなしているというのが実情。前回出演時は日本テレビを退社してまだ2カ月ほどでしたから、自分をうまく売り込めなかった可能性は高い」(週刊誌記者)
それにしても「ダウンタウンDX」への出演で仕事が激増するとは、上重本人は改めてテレビの影響力の強さを痛感しているに違いない。
その証拠に、7月に放送された「行列のできる相談所」(日本テレビ系)では、フリー転身後の最高月収を聞かれて「約250万円」と上重はぶっちゃけている。今後さらに、他のフリーアナたちを凌駕するほどウハウハ状態になるのだろうか。
「仕事エブリィなら、現在は6月よりさらに収入は増えているでしょう。野球を中心にスポーツ関連に強いのは大きく、さらに単価が上がったはずで、月収400万円は堅いと思われます。その場合、高く見積もると年収は5000万円前後になる。そもそも個人でやっている本物のフリーですから、稼ぎがダイレクトで入ってくる。TBSやテレ東のアナウンサーの年収は1500万円弱と聞きますから、仮に今の稼ぎがその倍以上だとしても、2月の段階で格差を見せつけられた国山や森を実質収入で上回るのは難しくないでしょう」
まさに甲子園の季節にフィーバーとは、さすが松坂世代としてスタジアムをにぎわせた元高校球児といえよう。
(権田力也)