テリー それで今は「ライバー」の育成というのに力を入れていると。
菅本 そうですね。
テリー これね、実はさっきうちのスタッフから説明されたんだけど、俺よくわからなかったんですよ(苦笑)。つまり「ライバー」って何ですか。
菅本 今、「投げ銭」ができる配信アプリが、日本にも十何個かありまして。そういうアプリで配信をしている人たちを「ライバー」さんって呼ぶんですけど、そういう方々が、今うちの事務所に8000人ぐらい所属してるんです。
テリー ということは簡単に言うと、ゆうこすさんは8000人のライバーを抱える事務所の社長さんだ。それは例えば所属するのに登録料とかを払うの?
菅本 いえ、それが0円なんです。芸能界とかYouTubeの世界って必ず7対3とかあるじゃないですか。
テリー あるよね。事務所が3割とか、ギャラからマネージメント料を引いてタレントに支払う。
菅本 それを引かなくてもいいシステムを構築したんです。だから、うちのライバーさんからすると、「マネージャーも付くし、色々相談にも乗ってくれるのに、1円も引かれないんですか?」っていうことになるんですけど。
テリー 何で?
菅本 それはアプリ側に、「事務所にノルマをつけてください」って交渉に行ったんです。「毎月いいライバーさんを育てるし、ライバーさんを毎月何人か入れるから、それが達成できたらライバーさんに振り込む給料にプラスで上乗せして事務所にもください」っていう、ざっくり言うとそういう交渉をしまして。
テリー なるほど、そういうことだ。アプリ側からすると、なるべく人気のライバーに自分ところのアプリから配信してほしいから、ゆうこすさんの事務所とかがライバーを育成して、派遣してくれると、助かるわけだ。だから、それに対して事務所にお金を払ってくれると。
菅本 そうですね。
テリー あなた、天才だね。それも1人で考えたの?
菅本 これは、私の母の友達の親戚がいるんですけど、2人で「やろうぜ」って言って立ち上げました。一番イメージしやすいのは地方のスナックかなと思ってまして。そういうお店って、ぶっちゃけ常連の10人のお客さんでまわってるところってあるじゃないですか。で、「じゃあママ、今日も楽しかったよ、1杯おごるね」っていう感じで2000円払ってくれるみたいなことが画面上で起きてるんですね。ライバーさんと話して、「楽しかったから2000円投げるよ」みたいな。
テリー それが「投げ銭」ということですね。
菅本 はい。
テリー もし、5人の客で成り立つなら、別に芸能人じゃなくても大丈夫だね。
菅本 うちのライバーさんも8000人が全員芸能人っていうわけじゃなくて、普通の主婦の方とか、地方のママさんが多いんですよ。例えば、シングルマザーの方とかは、赤ちゃんが泣いたら「じゃあ、配信終わるね」ってストップできるじゃないですか。働く場所がない方とか、働く時間の融通が利くから、すごい喜んでくれます。
テリー ライバーの多くは女性なんですか。
菅本 いえ、うちの事務所で言うと6対4ぐらいで、男性も4割います。
テリー おじさんもいる?
菅本 いますね。男性の方が若い方が多いですけど。でも私、おじさんライバーを見るの、めっちゃ好きなんですよ。その中には、めっちゃ人気の方もいますね。
ゲスト:菅本裕子(すがもと・ゆうこ)1994年、福岡県生まれ。2011年、「HKT48」の1期生として芸能界デビュー。2015年、講談社主催の「ミスiD」準グランプリ受賞。その後、「モテクリエイター」として活動を始め、2016年、「株式会社KOS」設立。2019年にはライバー事業を分社化し、「株式会社321」設立。現在は約8000人のライバーが所属。SNSの総フォロワー数は200万人以上。初の写真集「チャーミング」(講談社)発売中。