首位とのゲーム差がなかなか縮まらず、阪神の優勝はなかなか厳しい状況になっている。
岡田彰布監督は今季が2年契約の最終年。最大のヤマ場を迎えているとはいえ、来季も続投路線ならば、そろそろ声がかかっていてもおかしくはない頃だ。ただ、最近はコーチとのミゾの存在が取り沙汰されており、フロント主導で監督人事を進めた場合、今季限りでの勇退が現実味を帯びてくる。
となると、ファンとして気になるのは、次期監督の名前だ。これまで平田勝夫ヘッドコーチや今岡真訪打撃コーチの昇格がウワサされたが、ファンの間でにわかに待望論が膨らんでいるのがなんと、広島で監督を務めた緒方孝市氏だという。
阪神の監督といえば「生え抜き」のイメージが強いが、過去には広島出身の金本知憲氏のほか、星野仙一氏、野村克也氏など例外がないわけではない。もし外様の緒方氏が監督に就任すれば、2015年から2018年にかけて広島が3連覇した時のスタッフが入閣する可能性があり、チームが一新するのは間違いない。
緒方氏は現在、広島ローカルの番組にはほとんど出ておらず、地元関係者の間では、最終年にフロントとなんらかの確執があったのではないか、と囁かれている。
過去には阪神への痛烈批判や監督目線での解説が「猛虎愛に溢れすぎている」とファンに好評で、阪神戦をガッツリ中継するサンテレビの解説以外にも、スカイAの猛虎キャンプリポートに呼ばれている。そうしたことも、待望論が出る一因になっているのだろう。
外様とはいえ、セ・リーグ3連覇を達成した偉業は色褪せない。阪神は大山悠輔や森下翔太、佐藤輝明など、一発を期待できる選手がいる。ここに広島伝統の機動力野球が加われば、面白い存在になるのは間違いないだろうが…。
ファンが希望したからといって、広島OBの緒方氏が阪神の監督に就任するのは現実味が薄いとはいえ、金本氏の縦縞姿を見ているファンにしてみれば、それほど違和感はないかもしれない。
監督人事はチームカラーがガラッと一変するだけに、ファンとしても興味が尽きないところだ。
(ケン高田)