夏恒例の野外音楽祭「a-nation」といえば、2022年から毎年開催されているエイベックス主催のイベントであり、多数のアーティストが熱唱を繰り広げる。今年は9月1日に東京・味の素スタジアムでのステージとなったが、コロナ禍を経て4年ぶりだった。
ここにイベント史上最多となる19回目の出演を果たしたのが、浜崎あゆみだ。ヒット曲「Boys&Girls」からスタートした浜崎は、曲中で何度も「アリーナ!」「まだまだ行くよ!」などと客席を煽り続け、ファンとのコミュニケーションを楽しんだ。「HANABI」を歌唱する際には、感極まって涙ぐむ場面も。
実はそのパフォーマンス以上に注目されたのが、浜崎の登場順だった。初開催の2002年は、浜崎がレコード大賞を3連覇中の全盛期。「a-nation」では、東京公演最終日の大トリが浜崎の定位置となった。
ところが今回は1日だけの開催であると同時に、トリを東方神起に譲ることに。これが今の浜崎の「立場」を意味しているのか…。
振り返れば2011年には、大トリを自ら辞退。そこに至るまで自身のSNSで所属レコード会社に対する不満を漏らし、挙げ句、滞在先のアメリカで急性咽頭炎を発症して、体調不良のため帰国便に搭乗できず。生出演を予定していた音楽番組「ミュージックステーション」の25周年記念特番を急きょ取りやめる「事件」を起こした。
「その頃はまだ女王様のような扱いを受けていただけに、そんなわがままが通りましたが、2014年にNHK紅白歌合戦に落選すると、失速していきました。根強いファンが多いのですが、そこからいろいろ思うところがあったのでしょう」(レコード会社関係者)
とはいえ、エイベックスにとって偉大な功労者であることは変わらないだけに、来年以降もイベントを盛り上げてくれそうである。
(高木光一)