その「エスカレーター越え」の豪快弾に、思わず目を奪われてしまった。
8月31日にエスコンフィールド北海道で行われたのは、日本ハム×東京六大学選抜戦。4番・一塁で先発出場した慶應大学の清原正吾が、プロ通算525本塁打を誇る父・清原和博氏を彷彿させる本塁打を放ったのである。
6回一死一塁の場面でめぐってきた第3打席。日本ハム左腕の山本晃大から左翼スタンドへの2点本塁打は大きなアーチを描き、レフトポール際エスカレーターの奥に吸い込まれていった。
今年4年生となる清原は、春季リーグ戦で慶大の4番に座ると、フェンス直撃打を放つ長打力でベストナインに選出。一時は社会人野球に進むのではないかとみられていたが、ここにきてプロ野球スカウトの間で評価が爆上がりしている。
清原は中学ではバレーボール、高校ではアメフトに打ち込み、硬式野球を始めたのは大学から。9月10日から始まる秋季リーグの成績によっては、複数のプロ球団がドラフト指名するのではないかとの予測がある。父の和博氏と同じ、西武入りへの期待もあろう。
当初は育成枠でのプロ入りならあるだろうとされたが、父親譲りの打撃センスと話題性を考えれば、下位での指名は大いにありうるところ。今季最下位を独走し、ファン離れが激しい西武にもし入団すれば、ロマン枠だとしても話題性だけで十分だ。あるいは育成に定評のある日本ハムなら、大化けするかもしれない。
西武、日本ハムのほかにも、和博氏とホットラインのある、立浪和義監督率いる中日も指名が予想されている。
大学生は秋のリーグ戦での活躍が最終的なプロ入りの決め手になるため、この先どうなるかは分からない。だが、もし指名されたら、来年の新人合同自主トレ、キャンプの話題の中心になるのは間違いないだろう。
(ケン高田)