野球界のサラブレッドの真骨頂を垣間見た。西武や巨人などで活躍した清原和博氏の長男で、慶応義塾大学野球部4年生の清原正吾内野手が、今秋のドラフト指名候補となっている。
東京6大学の開幕週に2戦連続で4番で先発して、両ゲームでタイムリーヒットを記録した。アマ野球に詳しいスポーツライターが解説する。
「パワーがあり、スイングが大学レベルを超えていますよ。父親譲りで、打球を遠くに飛ばすことができます。慶応大学関係者に言わせると、まだポテンシャルの半分も出していないといいますから、将来を嘱望されるのも当然のこと」
186センチ、90キロとスケールがデカく、一方で野球歴は短く荒削りなところも魅力的。というも、小学生の時に地元少年野球チームでプレーしていたのだが、中学ではバレーボール部、高校ではアメリカンフットボール部に在籍。大学入学後に硬式球の経験がないまま野球を再開して、プロレベルにまで進展させた。前出のスポーツライターは、
「性格面もプロ向きですよ。父と違って泥臭く努力家で、少々厳しい練習にも食らいついてきます。守備はかなり下手なカテゴリーでしたが、慶應大学の野球部員200人の中でも、守備スキルを上位クラスにまで上達させた。プロでも通用するくらいの捕球技術を身につけました」
進路希望は「プロ1本」と言ってはばからない。ホームラン打者を欲している中日や日本ハム、ヤクルト、西武が熱心に獲得調査をしているといわれる。稀代のスラッガーの長男は、どの球団に入るのか。
(渡辺優)