スポーツ

ソフトバンクに倣って…貧打の西武ライオンズがすがる「データ分析専門家」公募の「怪しげな待遇」

 自慢の山賊打線がすっかり見る影を失い、球団史上最悪の不調にあえぐ西武ライオンズが「データ分析班」を公募している。

 プレスリリースされた応募要項には、業務内容として次のようなことが記されている。

「データを活用して深層的且つ潜在的な能力を見極める選手評価」

「選手やチームのパフォーマンスを確度高く予測する戦力予測モデルの構築と運用」

「選手育成計画を基に成長進捗管理モデルの構築と運用」

 各種プログラミング言語を活用したデータ分析経験、BIツールを用いたダッシュボード設計・構築の経験がある人材を募集している。

 採用人数は「若干名」で、雇用形態は業務委託とし、1年ごとの更新と記載されているが、肝心の給与については「非公開」。

 募集要項にあるほどのキャリアやスキル、コンサル、チームマネージメント能力を持っているなら、外資系金融業であれば数千万円の報酬が支払われてもおかしくない。待遇いかんによっては、優秀な人材がどれだけ集まるか疑問が残るのだ。

 専門のアナリストで思い出されるのは、ソフトバンクのデータ分析を担当するアマテクノ代表取締役の齋藤周氏だ。齋藤氏は東京大学在学中の2022年1月、ソフトバンクのGM付データ分析担当に就任。当時、平均年収1500万円以上といわれる大企業の内定を辞退してソフトバンク入りしたことが、大きな話題になった。球界関係者が言う。

「ソフトバンクの成功例を見て、西武も遅ればせながらアナリストの起用を決めたようですが、1年ごとの業務委託更新と給与非公開では、本当に能力のある人物を確保することができるかどうか。ソフトバンクの齋藤氏はもともと東大野球部の学生コーチをしており、野球に対する造詣は深い。同レベルの人材を集めるのは簡単ではないでしょう」

 現在、西武のデータ戦略室メンバーは2人。いずれも昨年入社で、全くの異業種から転職した者もいる。今後はファームの試合でもデータ活用を進めていくといい、新たな人材が必要になったということだろう。

 今のところ、かなりの見切り発車感は拭えないが、来季に向けて、このまま手をこまねいているわけにもいかないようで…。

(ケン高田)

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