テリー この本読んでも思ったけど、友紀さんは勉強できたよね?
岡崎 ちゃんと学校に行っていればね(笑)。
テリー うん、そう思う。芸能界じゃなかったら、出版とかに行きたかったんでしょう?
岡崎 新聞記者とかにすごい憧れていて。だけど自分が取材されるようになってからは、人を傷つけたりするから、ならなくてよかったなと。
テリー だから芸能活動とは別にその後色々。2010年に選挙に出ましたよね。
岡崎 あれ、一生の汚点だわ(苦笑)。
テリー あ、そうなの? でも、公約ですごくいいことを言ってましたよ。
岡崎 今だったら、もう少し耳を傾けてくれる人がいるかなと思うけど。動物とか自然環境とか、10代の頃からずっとやってたので。戸川幸夫先生とか田中光常先生とか、そういう一生懸命やってらっしゃるレジェンドの方と知り合うことができてね。そういう運動を一生懸命やってたんですよ。
テリー そうだよね。
岡崎 私の若い頃って「エコロジー」っていう言葉すらなかったから。
テリー 大量消費の時代だからね。
岡崎 そうです。テレビに出る人間が、それに反する考えだということを述べてはいけない時代で。ですから、一生懸命やって、ちょっとずつみんなが気づくようになってきたから、そろそろいいんじゃないかと思ったんですよ。その時の民主党の選挙対策委員長だった石井一さんが、「それはいい」「それで出てよ」って言われたから、「それでいいなら出る」って言ったんだけど。
テリー どんな選挙戦だったの?
岡崎 何しろ周りに選対のプロがいないし、何もわからなくて、「この人頑張ってますからよろしく」って、知らない人の応援してる間に終わっちゃったんです。
テリー ああ、そうなんだ。あの時に友紀さんがやってるのを見て、「あ、すごいちゃんとした人生を送ってるんだな」と思って。だから全然汚点じゃないですよ。
岡崎 そうですか?
テリー うん。だって、それをあの時代に凜として言えたのは、格好いいっていう言葉が正しいかわからないけど、僕は当時そんな風に感じました。
岡崎 ありがとうございます。とにかくそこだけはどうしても譲れない、私のほとばしる思いなので。でもね、ビックリしたのは、「票が欲しいでしょう。だったら連れてってあげる」って、私のポリシーと真逆の職業の方たちに紹介する人がいたりするのよ。「その人に票を集めてもらったら、当選しても私の思ってることが言えないじゃん!」って。そういうことがずいぶんありました。だから、やっぱり世の中って難しいですね。
テリー ああ、それはテレビのスポンサーも似たところがありますよね。例えば自動車メーカーも日本の産業を支えてくれているけども、「CO2を出して」みたいなことってあるから。そこの兼ね合いですよね。
岡崎 そうですね。特に芸能人は政治とかに口を出すと、すぐ「生意気だ」「誰のおかげで仕事できてるんだ」っていう話になっちゃうから、言いにくいですよね。
テリー 今はいいんじゃないですか。
岡崎 大丈夫ですか。
テリー 全然OKです。この本の中でも「大谷翔平もいいけど、もっと他に報道することがあるだろう」って書いてますよね。
岡崎 やっぱり子供たちがそれに気づくような教育を始めるところから、大人たちが気をつけなきゃいけないというのをすごく感じるので、それを誰かが言い続けていないといけないなって思うのでね。「私が言ってもいいかな」っていう感じですけどね。どのくらい届くかわかりませんけど。
ゲスト:岡崎友紀(おかざき・ゆき)1953年、東京都生まれ。小学生の時に「東宝芸能学校児童科」に入学。8歳で舞台デビュー。以降、舞台、テレビドラマ、バラエティー番組など多方面で活躍。1970年にスタートした「おくさまは18歳」「なんたって18歳!」「ママはライバル」(すべてTBS系)の主演シリーズは高視聴率を記録した。また1970年には歌手デビューし、「私は忘れない」「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」などのヒット曲がある。1976年よりNPO法人の理事を歴任。動物保護と環境問題に取り組み、長くボランティアとしての活動を続ける。NEWアルバム「Now to Now」発売中。10月13日(日)、東京・渋谷「JZ Brat」にて「岡崎友紀 Live atJZ Brat Vol.2 Love&Peace&Smile」開催。最新著書「なんたって70歳!」(與陽館)発売中。