芸能

岡崎友紀「宮城まり子さんは偉大な存在でした」/テリー伊藤対談(2)

テリー 宮城さんは、どんな方だったんですか。

岡崎 宮城まり子さんは新宿コマ劇場の舞台に一緒に出させていただいてから、先生というか神様というか、ほんとに偉大な存在でした。

テリー その時、友紀さんは東宝芸能学校の児童科にいたんですよね。

岡崎 そうですね。後で聞いたら、宮城まり子さんが「子役っぽくない子供を集めてほしい」っておっしゃったんですって。それで東宝芸能学校の児童科にお声がかかって、10人ぐらいピックアップされたのがコトの始まりでした。

テリー それが友紀さんの初舞台。

岡崎 はい、8歳の時でした。

テリー ということは、宮城さんがいなければ、その後の岡崎友紀はなかった。

岡崎 かもしれないです。それ以降もすごく可愛がってくださって。なんて言うんでしょうかね。気配りしてる素振りは全然見せずに気配りなさるという、とっても広くて深い方だなって、子供ながらに感じてました。

テリー 森繁さんのドラマに出たのも宮城さんがきっかけだったんでしょう?

岡崎 「王様と私」っていう舞台に、宮城まり子さんが推薦してくださったんですよ。その舞台の劇評が、途中で五大新聞に出ますでしょう。そこに1行、私のことを誉めて書いてくれてたんです。それを森繁さんが見て、「あ、もしかしたらケイコちゃんの娘じゃないか」って、翌日、東京宝塚劇場の楽屋事務所までいらして、すごく喜んでくださったんです。それで、その時に森繁さん主演のNHK連続ドラマ「太陽の丘」に娘役で1年間、レギュラー出演することになったんです。

テリー 森繁さんとは昔からの知り合いだったんですよね。

岡崎 母が満州放送局に勤めていて、森繁さんはその時の同僚だったんですね。ですから、3歳ぐらいの時からご自宅に遊びに行ったりして、親戚のおじさんみたいに感じてましたね。

テリー だから、友紀さんは「おくさまは18歳」や「なんたって18歳!」の前にもう色々やってるんだよね。

岡崎 そうですね。

テリー そうすると「おくさま」や「なんたって」の時はどうだったんですか。

岡崎 最初「おくさま」は2クール(※約半年)で始まって、視聴率がいいので1年に延びて。ほんとはTBSも大映テレビも「おくさま」を一生やっていたかったと思うんですよ。だけど高校3年生の役だから、落第してまた3年生をやるわけにいかないので1年で終わって、次の「なんたって」でバスガイドになって。TBSも大映テレビも毎年二匹目、三匹目のドジョウを一生懸命狙ってたと思いますね。

テリー 大人気でしたよね。それこそドラマのロケ現場に住みたいっていう人が増えて、地価が上がったり。

岡崎 (東京都多摩市の)聖蹟桜ヶ丘ですよ。よく新婚夫婦の方から、「同じインテリアはどこで買えますか」っていう問い合わせが局や撮影所に来たみたいです。

テリー みんなの憧れだったからね。

岡崎 まだ空地が多くて、ほとんど家が建っていなかった時代ですよね。撮影の時はいつの間にか車で着いてたので、よくわからなかったですけど(笑)。

テリー 寝てた?

岡崎 寝てました。いつも移動の時は。

テリー 忙しいからね。当時、学校は行けたんですか。

岡崎 いえ、高校1年の夏休みから仕事が重なって、行く時間がなくなって、夜間の学校に転校したんです。そこの校長先生がとってもいい方で、「校長室でいいからいらっしゃい」って言ってくださって、昼でも夜でもとにかく時間があると校長室に行って勉強して、何とか卒業できるようにやっていただいたんですね。

ゲスト:岡崎友紀(おかざき・ゆき)1953年、東京都生まれ。小学生の時に「東宝芸能学校児童科」に入学。8歳で舞台デビュー。以降、舞台、テレビドラマ、バラエティー番組など多方面で活躍。1970年にスタートした「おくさまは18歳」「なんたって18歳!」「ママはライバル」(すべてTBS系)の主演シリーズは高視聴率を記録した。また1970年には歌手デビューし、「私は忘れない」「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」などのヒット曲がある。1976年よりNPO法人の理事を歴任。動物保護と環境問題に取り組み、長くボランティアとしての活動を続ける。NEWアルバム「Now to Now」発売中。10月13日(日)、東京・渋谷「JZ Brat」にて「岡崎友紀 Live atJZ Brat Vol.2 Love&Peace&Smile」開催。最新著書「なんたって70歳!」(與陽館)発売中。

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