大相撲秋場所が開催されている両国国技館前で出待ちするファンからの「サインください!」という声に一瞥もくれず、タクシーに乗り込む力士。それが9月11日の取組を終えた遠藤だった。角界関係者が語る。
「この4日目は、今場所初めて土がついた日。周囲からすれば、星を逃して不機嫌なオーラを出していたように見えたかもしれませんが、遠藤は単に極度の人見知りなだけなんです。所属する追手風部屋の関取衆のほとんどが同じ日本大学OBながら、同窓力士はおろか、付け人とも必要以上につるまないことで有名。部屋の近くにある安いチェーン居酒屋で、よく1人飲みする姿が目撃されるほどですから」
入門からスピード出世を果たして「ざんばら髪」で注目されたのは、10年以上も前の話。10月に34歳の誕生日を迎えるベテラン力士は、ヒザの痛みで満身創痍の土俵が日常になった。
「引退までのカウントダウンが始まっています。すでに『北陣』という親方株を取得しているので、引退後も相撲協会に残るつもりです。しかも、新しい部屋を興す計画まであるんだとか。というのも、追手風部屋を継承するのは大栄翔と言われていますからね。後輩の下で部屋付き親方になるのは癪なのでしょう」(前出・各界関係者)
となると、独立のためには生来の「塩対応」を改める必要が出てきそうだが、
「人付き合いが得意ではないので、タニマチの人数は人気力士の割には少ないかもしれません。ところが、そのひとりひとりが『太客』らしいのです。宴席に呼ばれるたびに貰える小遣いは十万単位で、貯蓄が十分にあると聞いています。想像するに、カネに困ることはないでしょう」(後援会関係者)
5月場所で十両に落ちながら、先場所に幕内復帰。ギリギリまで現役を続けた先には、悠々自適なセカンドキャリアが待っているのだろう。